お忘れの方もいるでしょう…
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ポチッとな
きらきらと輝く金糸で所狭しと刺繍を施された、溜息の出るような煌びやかな衣装に身を包まれ頬を赤らめ、ジフを睨みつけているソナ…その横ではにんまりとにやけるジフが居た。
そう…今日は2人の婚儀である。ここに至るまで2人の争いは一度や二度ではなかった…やっと安定期に入った今日、2人は婚儀を迎える事となったのだ。
その争いとは…
「だから良いって言ってるじゃない!私は若くもなければ綺麗でもないし、みんなに見てもらうなんて嫌よ!普段着で良いし身内だけでこっそりやりましょうよ」
「いや、これは譲れねぇ!きっちりと婚儀はやらせてもらうぜ!師範にも約束しちまったしな。男と男の約束だ。守らねぇわけにはいかねぇからな!それに誰が綺麗じゃないって?この俺が選んだ女なんだ…別嬪に決まってんだろ?」
と、腰に手を回しお腹を撫でながら口付けをする。
「んん…もう!こんなことで誤魔化されないわよ!お腹も大きいし…恥ずかしいのよ」
「何がだ?チェ・尚宮様も言ってたじゃねぇか…順番こそ違うがめでたい事続きだと。俺は死ぬほど幸せだぜ?俺が父親になれるなんて思いもしなかったからな」
「はぁ…じゃあ一歩譲って婚儀はします!でもこのきらきらの衣装を着てみんなの前で婚儀をしなくちゃだめなの?」
「医仙様と王妃様、チェ・尚宮様が見立ててくれたんだぜ?絶対お前に似合うって。それにな、婚儀だが、俺の身内は姉ちゃんと叔母さんしかいねぇからどっちでも良いんだが、みんなにお前を見てもらいてぇじゃねぇか」
「皆さんが選んで下さったのはわかってるけど…こんな服着たことがないもの…私は見てもらいたくなんかないのに…」
ジフはソナの頭をポンと叩くとしゃがみ込み、頑固な母上だなぁとソナのお腹を撫で赤子に話し掛ける。
「…あっ!動いたわ!初めて赤ちゃんが動いたの。お腹を蹴飛ばしされたわ!」
「本当か?どんな感じなんだ?おい!もう1回母上を蹴飛ばしてやれ!元気に成長しているようだな!あんまり母上を困らせないように、生まれる時は楽に出て来いよ」
「あなたがわかるのね…医仙様が言っていたわ。赤ちゃんには声が聞こえているって…。だから喧嘩なんかしないで楽しい話をたくさん聞かせてあげてねって…わかったわ。この婚礼衣装も着るし、みんなにお祝いもしてもらう。この子にまでやれって言われたら、やらないわけにはいかないわね。」
「あぁ!初めっから素直にそう言えば良いんだよ!ったくお前は頑固なんだから」
「もう!頑固って何よ!」
「ガキの頃から頑固だったろ?泣き虫姉ちゃん」
「その言い方やめてよ、恥ずかしい…ふふ」
「幸せになろうな…ソナ…」
ジフは立ち上がるとソナを抱き寄せ、今だに恥ずかしがり俯き下を向くソナの顎を、そっと持ち上げ唇を落とす…柔らかな唇を優しく吸い上げていたのだが、次第にその口付けは激しさを増し舌で唇を割り、ソナの舌を絡め取る。ソナから洩れる甘い吐息に更に拍車がかかるジフは腰に回した手をだんだんと下に下ろし蠢かせる。すると突然今まで応えてくれていたソナが腕の中で暴れだした。
「どうしたんだ?嫌か?」
「はぁ…嫌なわけないでしょ…違うわ。今お腹がきゅ~ってなったから赤ちゃんが苦しいかと思って。医仙様に言われたの。お腹が硬くなったら赤ちゃんが少し苦しいから、その…我慢してねって…」
「あっそういや俺も医仙様に渡された書に、書いてあったの読んだな…こいつが生まれてくるまでは俺が本領発揮できねえってことだな!少しの辛抱だ。どうってことないさ。さて、婚儀の詳しい話でも決めるとするか?」
「えぇ…そうね…」
こうして向かえた今日の婚儀…
衣装に着替えたソナは本当に美しく、光り輝いていた。横で父親とチェ・尚宮が、母さんにも見せてやりたかったと涙ぐんでいる。普段全く化粧っ気のないソナなので、化粧はウンスが現代風に仕上げてあげたのだが、ジフまで溜息をついている。
「やっぱり皆に見せるのはやめたくなっちまったな!なんだかお前は俺にはもったいねぇ…ソナ…本当に俺で良いのか?」
「えぇ…もちろんよ。恥ずかしいから早く終わらせましょう?」
「ソナさん、本当に綺麗よ。ねぇあなた?」
「あぁ、ソナ、ジフ本当におめでとう。幸せになるのだぞ」
「はい!大護軍、本日はお忙しいところ我等の為に、ありがとうございます!私達の目標はお2人です!大護軍と医仙様のような夫婦となること…お互いを支えあい慈しむ…そんな夫婦となって参りたいです」
「ふふ、嬉しいわ!私からもお祝いよ!天界ではブーケと言うの。婚儀の時に持つお花の事ね。幸せになってね。赤ちゃんはとっても順調だから大丈夫よ」
「はい!医仙様…ありがとうございます」
「ジフや…ソナを頼んだぞ」
「お任せください、チェ・尚宮様」
こうしてようやく迎える事ができた婚儀…迂達赤や武閣氏からもたくさんの人々が2人を祝いに駆けつける。このどちらからも溜息や感嘆の声が聞こえててきた。それほどに誰が見ても似合いの二人だったのだ。
一人でいるより2人で共にいると、よりお互いが輝ける…
そんな稀有な存在に巡り合えた二人だった…
「やっぱり綺麗だな…ソナ。やって良かったろ?昔…お前が言ったんだぜ?覚えてないのか?」
「何を?」
「父親に花嫁衣裳を見せてやりたいと…私より背が高くなったらねの後にさ…戦いばかりしている自分だけど婚儀はちゃんとしたいと…」
ソナは本当に驚いてしまった…自分でも忘れてしまっていたようなことをジフが…自分より幼かった彼が覚えていてくれていた事に…涙が溢れてきた。
「…ありがとう…そんな昔のことを覚えててくれて…」
「めでたい日に泣くなよな。化粧がとれちまうじゃねぇか。ほら笑ってくれよ」
と、指で涙を拭う…
「ふふ、大好きよ!惚れさせてやるって言うあなたの言葉…その通りになったわね」
「先にお前に惚れたのは俺だけどな、俺がお前達を必ず守る。幸せになろうな」
「えぇ…ありがとう」
こうして二人は無事に婚儀を終え、新たな人生を二人共に歩みだしたのでした。
この二人の行く末はまた次回、いずれどこかで…
完
皆様、こんにちは
はい!今日は良い夫婦の日
また仕事中やっちまいましたよ
今回のリハビリ作品は“喜”
二人をやっと結婚させました
らいらさんのご意見を取り入れさせていただいて
嫌がるソナ
とのりのりのジフ
でいってみました
いかがだったでしょうか

その内出産もとりあげたいなと思ってます
ではアンニョン

良い夫婦の日ですよーん
喧嘩しないでね

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の気持ちを込めて




