記憶の中にある俺の家…その最後は父上の棺を守って居た16の頃、月桂樹の花が咲き乱れていた早春の春の記憶…父上が天に召されてからの一月…自分が何をしていたのかすら思い出せない。
ただあるのは辛い想いしか呼び起こさない、他の花の香を殺す花樹の匂い…あの花の香に触れると今でも自分が16の小僧に舞い戻ってしまうような気になる。
あの折、ムン・チフ隊長が俺を迎えに来て下さらなかったら、俺はどうなっていたのだろうか?この家で食事もとらず父上の元へ参っていたかも知れぬと思うこともある。
たった一人だった16の俺には、それでも良かったのだ。イムジャに出逢うまでは…
甘い花の香をその身に纏う俺だけの天女…全てを捨てて何の迷いもなく、俺の胸へ飛び込んで下さった強く美しき奇跡のような天界の女人…
奇跡を手に入れたかと思うた瞬間…天は俺達に試練を課した。その想いと向き合い、今やらねばならぬことをせよと…イムジャの帰りを待つ間、天穴のある地をわが高麗の地へと奪還した。イムジャが戻られるその日のために…
そしてあの時の俺はこの家に13年ぶりに足を踏み入れたのだ…ちょうど花樹の咲き乱れる季節…咽かえるような花の香に父の面影を垣間見た気がした。
叔母上には以前、この家に戻るつもりもない故、売ってこの金を奴婢達にでもくれてやれと申した事がある。
しかし叔母上は“俺に嫁が出来たら、その時お前の嫁に屋敷の処分を任せる。だから早く連れてくるんだね”と、眉ひとつ動かさず言い放った。
メヒもおらぬおり、何を馬鹿な事をと思うておった。
しかし、いまは管理をしてくれて居た叔母上に感謝せねばなるまい。中に入ると何一つ昔と変わらぬ我が家がそこにはあった。この匂い…父上の書物の匂いだ。墨の香なのだろうか…小さき頃、父上のひざの上、書物を読んで貰ろうた自分の姿が頭をよぎり我知らず頬を涙が伝う…。
母上の記憶を辿るも…あまりに小さき時だったので思い出せる事もなかった。ただ、ふっと外で咲き乱れている花樹を思い出す。母の好きだった花なのかも知れぬ。後で叔母上に問いに参ろう…
その叔母上のおかげで家は何の手入れもなく住める状態であった。毎日掃除もされ、空気も入れ替えられ、庭も草一つ生えておらぬ。家主が居らぬ事こそが不可思議なことであるかのようだった。あとはここにイムジャを迎え、我らの寝所を誂えれば良いであろう…。
俺が、事あるごとに町へ出ては、女子の服や髪飾り、イムジャの好きそうな青磁器などを買うておったあの頃…変な噂があちこちでたっていたようだが、俺にはどうでも良いことだった…。記憶の中のイムジャの喜ぶ顔を思い浮かべることだけが、俺の生きる支えであったゆえ…あのあなたの無垢な笑顔もまた、俺を生かすための妖術だったのか…やはりイムジャには敵わぬと一人笑ろうておったあの頃を思い出しました。
そのあとの俺は、一人この家でイムジャの帰りを待ちわびる日々…。何の疑いもなく、あなたの香を夢に見ながら…
イムジャと共に初めてこの家に帰った日…あなた一人が居てくれるだけで、静から動へ変わった俺の日常…昔のように「行ってらっしゃい」と手を振り微笑んでくれるイムジャ…色のなかった俺の人生は、イムジャ一人が居てくださるだけで虹色に輝いた…。
子が増えるたびに、明るい笑い声が絶えない我が家…帰ると必ずみなで出迎え、はぐときっすをしてくれる。
家とは、このように温かなものなのですね?時折涙が溢れて来るのです。飯を食い寝るだけが家だと思うておりました。イムジャに出逢えねば俺は死ぬまでわからぬ事でした…。
そして今日、スジョンが子をもうけましたね。イムジャと出逢うて20年…俺に、この俺が孫をこの手に抱く事が出来たのです。父上…俺は爺になりました。
命の奇跡に立ち会う時、俺が必ず願う事…俺が奪った命の代償は、いつか必ず俺が払う…。だから皆に責めを負わせるのだけはやめて欲しい。どうか無事にと。
スジョンの子をこの手にした時、イムジャのご両親の顔が見えた気がしたのです。知らぬはずなのに…。家に戻り、イムジャと向き合いましたね。イムジャのご両親から、娘と孫、そこから続いて行くであろう、命の繋がりを俺が絶ってしまった…本当に申し訳ないと伝えねばならぬと思うたのです。
イムジャは、いつもの通り笑い飛ばし、そんな事を言って欲しい訳じゃない。私達に孫が出来たの、ただ喜んで?これから、もっと家族が増えるんだからと。そして守るものが増えて大変だけど、これからもよろしくねと微笑むイムジャ…。
やはり俺を生かせるのはイムジャ…あなたの妖術だけですね…。
今日もまた、チュンソクに後始末をさせ、さっさとあなたの待つ家に帰る。明かりの灯った温かな家へ。子供とイムジャの待つ家へ…。
俺の妻は天女である…。
死に急ぐ俺を何度となく救い守って下さった、美しき天界の医員…。
あなたのおかげで、自分の命も大切に思えるようになったのです。ありがとう、イムジャ…。
















皆様こんばんは
関東は今日は地震ビックリしましたね
皆様のお住まいの地域は大丈夫でしたか
備えあれば憂なし
少しずついざという時の物も、備えて行きましょうね
今日は、チェ・ヨンの日記、家って良いなぁ
編です。
私の敬愛する、夜回り先生こと、水谷修先生が言われていました。
父親の会社の上司 いらつき部下にあたる

父親 会社のストレスで妻にあたる

母親 旦那に言われた事で子にあたる

子 あたる者が居ないから友達をいじめる
リスカに走る 夜遊びをする

家が荒む
父親は嫌な事があれば、妻にあたったり酒を飲みに行ったり出来る。妻は、それを子供にあたり、自分は友達とランチを食べたりしてストレス解消出来る。じゃあ、子供達は?
家とは誰もが早く帰って、ホッとしたいと思える場所でなくてはいけない。カリカリした家に、誰が帰りたいんですか?
あなたは、昨日お子さんを褒めた回数と怒った回数どちらが多いですか?
お子さんとどの位話して居ますか?
昔の人は良く言った物です。人は褒められて伸びるんですと…。
一度だけ講演会に子供と伺った時、そうおっしやってました。怒る事の方が断然多かったので、改める努力は致しました
お話とは関係ない事を長々とすみませんでした
チェ・ヨン&ウンス家のような明るいお家がいっぱいだと良いですね

では、おやすみなさい
追伸~コメント返せる所までお返しします!止まったら、落ちたのねと思ってお許しを
明日には必ずや( ー`дー´)キリッ
アンニョン

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