今日はね、本当にビックリすると思うわよ!
スジョンがね、世子様の許嫁になったのよ。もうすぐ婚儀になりそうよ。
まだスジョンは12歳で世子様は11歳だけど、この時代は早いらしいわね。
ここまで早いと思わなかったけど…。
世子様の粘り勝ちね。ふふ。
スジョンは勉強が好きで、本当は私の後を継いで、医者になりたかったみたいなの。でも、世子嬪になると無理だからって。
王妃なんて柄じゃないから嫌だと言っていたのよ。初めはね…。
だけど、そろそろ世子様のお相手を決めなければいけない時期になってしまって…。
大臣のお嬢さんが、決まりかけたの。でも、世子様が自分の事は自分で決めたいから、少し待ってくれと王様に言ったらしいわ。それでね…いつものようにスジョンを皇宮へ呼んだの。
本当はね、必ず護衛が付いてるのよ。当たり前だけど。スジョンにも…。でも、この日は世子様に少しだけで良いから二人にしてくれと頼まれたみたいで…。
私とチェ・ヨンが昔、こっそりいつも逢っていた場所があるの。あの二人は知らないはずなのに、偶然にもそこに行ったらしいわ。後でスジョンに話を聞いたんだけど、その時世子様がね、まっすぐスジョンを見てこう言ったんだって。
自分はまだ11歳なのに、嫁をもらわなければならない。全く知らぬ大臣の娘など嫌だと。スジョン、この先も私と一緒に居てはくれませんかって。
周りが大人だらけだから、言うことが大人みたいでしょ?ずっとスジョンとは、小さい頃から一緒に遊んでいたから、居て当たり前の存在なのね。幼馴染のような…。
11歳、12歳の子供にもう結婚を強いるなんて、昔ってひどいわって思ったわ。まだそっちなら小学生よ?でも環境のせいなのね。考え方はしっかりしてる。もちろんスジョンも。
スジョンは、とても悩んだらしいわね。あの子は私には相談と言うより、報告の方が多いの。私ってそんなに頼りないのかしら…。
あ!でね、その時あの子の髪を結ぶ飾り紐がほどけて風に煽られ、飛んでしまったらしいの。その紐はね、私がこっちに来たときに着てた、エメラルドグリーンのブラウスを、切って作った物だったの…。あの子はそれを知って居たのね…。夢中で追いかけて…。木の枝に引っかかった紐を取るため、登ろうとしたんですって。
そうしたら世子様が、取って来るので待っていろと言ったようなの。
危ないから、テマン兄さんに頼むわって言ったら余計ムキになって登り始めたみたいで…。
後すこしって所で、足を滑らせ頭から落ちてしまったの…
私がすぐに呼ばれて行ったんだけど、脳の中なんてわかるわけないでしょ?MRIなんてないんだから。骨折はしてませんて言うのが精一杯よ。
それから3日、スジョンは王様の許しをもらって、隣で付き添って居たわ。4日目の朝、ようやく目覚めて…。
本当に嬉しかったらしくってね。あまり感情を表に出さない冷静な子なのに、声をあげて泣いていたようよ。
それで、世子様のお申し出を受けたの。自分が隣に居ないと心配だからと。
二人とも、初恋が実ったのよ。素敵よね。
……でもね、あんなに前にカッコ良い事言ってたチェ・ヨンが…父上を置いて嫁に行くんですかって毎日しつこくて…。こうなるとは思って居たんだけどね。ふふ。
お母さん、私は二人からたくさんの愛をもらったわ。私がスジョンにあげられる物って何かな?もうすぐ、家を出て行くの…。さみしいわね。今のお父さん、お母さんも、こんな気待ちなのかしら…。
ごめんね…。突然居なくなってしまって…。
私が子供達に残せる物は…人を愛する心を紡いで行くことくらいかしら…。
二人にもらった無償の愛、チェ・ヨンに抱く何物にも変えられない愛…。
それを子供達に伝えて行くわ…。
お父さん、お母さん、たくさんの愛をありがとう。
1369年5月 ウンス
ーあなた、スジョンが王妃になる日が来るのね…信じられないわ…
ーあぁ…本当に嘘みたいだ…。
















屋根部屋のプリンス…世子様があんなに小さいのに結婚!?と驚いたことを思い出し、書いてみました

それにmirukuさんの親御さんの様に、親から子へ残してあげられる物は…も考えて見たのですが、ウンス何ももってない

チェ・ヨンと子供達への無償の愛だけ…


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