出逢い…21 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

お父さん、お母さん、お元気ですか?
ねぇ、お母さん…ゴム管て何時代に出来るのかしら?今、本当に欲しいのよ。輸血するのに使いたいの…。どうしたら良いんだろう…。私に輸血なしでオペ出来るかしら?叔母様を助けたい…。でも自信がないの…。


話の発端から話すわね…。
あの日は王様一家の検診に、久々に典医寺に行ったの。ご家族皆さん、健康だったわ。世子様は王妃様にそっくりで、本当に綺麗な男の子なのよ。見せてあげたい。

…そんなことより…叔母様のこと。

突然現れ、「医仙、ちょっと」って陰に引っ張っぱられて…。

叔母様が自分の胸に私の手を充てるの!ビックリしちゃったわ。

…そうしたら…  叔母様がね…事実のみを教えてくれと言って…。

胸から、お乳のような液体が出て、胸の脇に大き目のしこりが…MRIもCTもレントゲンもなくても…おそらく乳がんよね。だけど、オペをすれば助かるレベルかな…

でも、でももし…動脈を傷つけたら…

ここには抗がん剤もないし…無い物だらけなの…。


私だけでは決められなくって…。後で話に行きますからと、任務に戻ってもらって、チェ・ヨンに来てもらったの。心細くて… 。

チェ・ヨンに、ちゃんと話したの。うまくいけば助かるけれど、オペを一つでも失敗すればわからないと…。
かと言ってこのまま、放置すれば確実に命は縮まってしまうと…。

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彼は私を抱き締めてこう言ってくれたの。
イムジャに助けられぬ命ならば、それが定めなのでしょう…叔母上の定めにかけてみませぬかって…。

それから2人で叔母様の所へ言って話したの。その、胸の脇に出来たものは、身体にとても悪く、切って取らなければいけないけれど、取ったからといって、その後は安心かと言うと、そうでもなくて…。
ここには、薬もないから…。

もし、開いて酷ければ、片方のお乳は全て……取り除かなければいけないと…。
叔母様は黙って静かに聞いていらしたわ。
一日考えさせて欲しいと。


次の日、叔母様はお休みを頂いて、何処かへ出掛けて行ったの。誰かに逢いに行った
のかしら?女にとって、胸がなくなるということは、かなりショックな事よね…。

そして、その日の夜ウチにやって来て、手術をお願いします、医仙と。迷いのない顔で話してくれたの。私を信じて…。

こうなれば、やるしかないわね、お母さん!


乳がんのオペってあまりやったことがないの。出来るか、とても心配…お母さん、そこから、祈っててね!



お母さん…とりあえずオペは無事に終わったわ…。でもね、やっぱりかなり広がっていて…。リンパ節ごと全て取り除かなければいけなくて…。叔母様の片方のお乳は…。

武閣氏としてはもう…。多分…。
リハビリもしないといけないし…。

でもね、目を覚まされた叔母様は、私にありがとうと言ってくれたの。これからも生きていく機会をくれてありがとうと。医仙が居なくば、どのみちそれほど生きられなかったでしょう。胸の一つや二つなくとも、生きていけるのならば、本望とおっしゃってくださったわ。その時、もちろんチェ・ヨンも一緒に居てくれて。
叔母上を助けてくれてありがとうと…。

ごめんなさい…。私にもう少し技術があれば叔母様のお乳は、温存出来たかもしれないのに…。そう言うと、2人同時に

ー医仙!
ーイムジャ!

何をバカなことを!って。

ふふ。この2人やっぱり似てるのよね。
優しい所が。

叔母様には、しばらくウチの病院に入院してもらって、リハビリをしたの。私は、お乳の代わりになるパットを開発中よ。高麗にはブラもないから似たようなものを作るしかないんだけど…。
なんせ、不器用だからなかなか進まないわ。

うちの子達がね、叔母様の事をお婆ちゃん、お婆ちゃんと言って取り合いになるのよ。叔母様は照れながら一人ずつ抱き締めてくれるわ。婚儀もしておらぬのに、お婆ちゃんと呼ばれるようになるとは…医仙には感謝しかないと。

その時ね、改めてこう言ってくれたのよ。チェ・ヨンを、甥を、長い暗闇から救うてくれて、本当にありがとう、医仙…。

いつか感謝の気持ちを伝えねばと思っていたと。医仙のおらなかった4年間も、甥はそなたが必ずや戻ると信じておったのだ。我らは訳がわからなかったでな…。しかし、その4年間も生き生きとしておってな。医仙に生かされておったのだな…。

我らは、もう医仙は戻らぬと思い、何度も奴に婚儀を勧めたのだ。しかし、あやつは聞く耳を持たなんだ…。

陛下に、医仙は必ず戻るので、その折には他の者に知られる前に婚儀をしたいのでお許し下さいと、申しておった。

そなたの為だけに、天穴の地を元から取り戻し待っておったのだ。そして、医仙よ…天界を捨て、あやつの元へ戻って来て下さったこと、感謝してもしきれぬと…。

あの叔母様が涙ぐんでいらしたわ。初めてみたかもしれない…。

叔母様…、私は全てを捨てても彼と居たかったの。今は本当に幸せよと言うと、私を抱き締めて、不器用に背中をトントン叩いてくれたわ。

そこにチェ・ヨンが入って来て…叔母上、何をしていますか!離れて下さい!って…叔母様にまでヤキモチ焼くのよ…。

結局、馬鹿者!って頭殴られてたけどね。ふふ。

子供達も大きくなったのよ。スジョンは9歳になったわ。今でも良く世子様にお呼ばれして、皇宮に遊びに行ってるのよ。
ミンジュンは7歳で、チェ・ヨンや迂達赤から剣術を習っているわ。血は争えないわね。さまになってるのよ。将来は迂達赤の隊長になりたいんですって!チェ・ヨンがニンヤリしてたわ。双子はね、漢字を勉強中なの、まだ5歳だけど私より覚えが良くて。

あっ、チェ・ヨンが帰って来たわ!

またね!


                   1366年7月  ウンス



ー良くやったわ、ウンス。叔母様助かって良かったわね。

ーあぁ…この子はみんなに愛されて居るんだな…。高麗か…。どんな時代だったのだろう。見てみたいな。

ーええ、ほんとですね。








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