聞いてくれる?この間、徳興君との事があったでしょ?あの時、私達家族が狙われていたみたいなの…。
また、毒を私か子供に飲ませ、チェ・ヨンを操るつもりだったらしいの。私か典医寺にいた時に、チュンソクさんが部下と話してたのを、こっそり聞いてたの。
チェ・ヨンは家の家政婦さんと、迂達赤、スリバンのみんなに頭を下げて、私と子供を守って欲しいと頼んだそうなの。そして家族を人質に取られたら、必ず取り戻すから、私達を差し出すのはやめて欲しいって。それが高麗を守る事になるからと…お母さん意味わかる?チェ・ヨンは私達の為なら、王様を誘拐しろと言われれば、やる人なの。私達…チェ・ヨンの足かせなのかしら…。
そんな事してくれていたなんて、全然知らなかったの。迂達赤がやけに来てくれるなって思ってはいたけど…
スリバンの子達は、逆に来なくなったの。きっと外から守ってくれていたのね…。
それにね、家政婦のヘスが子供を人質に取られて毒を渡されたみたいで。でもチェ・ヨンを信じてくれて告白にきてくれて。子供も助かったそうよ。
昨日ね、その徳興君の事件から二ヶ月たったから聞いてみたの…。お風呂で。
あれから、毎日一緒にお風呂に入るのよ。ラブラブでしょ?髪を洗ってもらうのが大好きなのよ。昨日は私が洗ってもらったわ。大きな手で。
チェ・ヨンに、どうしてそのことを私に話してくれなかったのか聞いたら、びっくりしてたわ。誰から聞いたのかって。言ったらチュンソクさん、可哀想な目に遭うから言わなかったけど…。
でも、一人ずつ名前を聞くのよ!ズルいでしょ?チュンソクですかって聞かれた時、目が泳いじゃって…チュンソクなのですねって言うから、私が立ち聞きしただけよ。怒らないであげてと言ったんだけど…。可哀想だったわ。しばらくボロボロになってた…。ごめんね、チュンソクさん…。正直者の私を許して…。
あ、それでね、私達はあなたの足かせになりたくないのに…と言ったら、側室事件の時くらい怖い顔して怒られたわ…。
イムジャ達が足かせだなどと思うた事は一度もないし、今後もあり得ませぬ。イムジャと子供達は俺の宝なのですから。昔、アン・ソンオに言われた事をたまに思い出すのです。子に禄を遺す方法を話しておって、その時の俺には子など持てるはずもなく、必要もないと思うた。
でも今こうして子を持てば、奴の気持ちもわかります。確かに、イムジャ達を質に取られらば、俺はなんでもやってしまうでしょう。それがわかっておるから、皆に頼んだのです。何かあれば言うてくれと。徳興君のやり方は知っておりますから。
だからイムジャ…足かせなどと言うてくれるな。辛くなる。あなたが居なければ、おれはとうに死んでおるはずです。あなたの為に生きると決めたのですから。そこに守るべき家族が増えた。
こんなに楽しい時をくれたイムジャに、感謝してもし切れぬのですよ。ただ、俺たち2人のこの国での責任が、少し重いと言うだけです。二度と言わないで下さいって。
背を向けずに話してくれて嬉しかったわ。ごめんねって謝ったの。最近歳のせいか涙もろくて…。私が泣くと困った顔するのよ。笑って下さい。あなたの笑顔が好きなのですからって。
彼、本当に私が好きなのよね…。ふふ。のろけちゃった!
でも良かったわ、今回は何事もなくて。家族に何かあれば…彼、責任感の塊だから心が死んでしまうと思うの。私と子供達が彼の生きる源なの…。
知らずにいつも陰から守ってくれるチェ・ヨン…。プロポーズの言葉を思い出すわ。私を守るの大変よって言うと、知ってます。それでも一生お守りしますって…
こんな人、他に居ないわね…
お母さん、私はどうやったらこの人の愛にもっと応えられるかしら?教えて…
あっ。彼が帰って来たわ!お風呂に入れてあげなきゃ。またね!
1365年2月 ウンス
ーチェ・ヨンさん…ありがとう…
ーお父さん…お父さんも歳のせい?泣かないで下さいな。この子は幸せなんですから。
ーあぁ、あぁ…。そうだな。

にほんブログ村

