日本には世界に誇る有人潜水艇しんかい6500がある。海洋研究開発機構(JAMSTEC)によって運用され、1989年から四半世紀にわたり深海底の調査に活躍してきた。
『微生物ハンター、深海を行く』は、同機構の微生物研究者の青春物語。一人の「ナニモノでもない」(しかし威勢の良い)学生が、いかに道を見つけ「青春を深海に捧げよう」と誓うに至ったか。情熱と挫折、偶然と必然、障害と突破を赤裸々に述べる。表紙は青い海に潜行するしんかい6500で、涼感溢(あふ)れる造りだが、騙(だま)されてはいけない。中身はこれでもか!というほど暑苦しく、猛烈な筆圧を感じさせる。インド洋での潜行の様子を描く章では、新種の生き物を発見して「キタァァァァァァー!!…ボクは無意識に叫んでいた。興奮して…ガンガン唾(つば)を飛ばしながら、コックピットの床をドンドン足で蹴飛ばし、自分の太ももを手でバシバシ鳴らしながら、叫びまくった」とくる。そして、このテンションがずっと落ちない。
上記のような書評が書かれている、「微生物ハンター、深海を行く」。
深海にはまだ見ぬ微生物がたくさんいると言われています。そもそも、微生物はまだ全然解明が進んでいない分野なのだそうですよ。名前が付いている微生物は、一握りでしかないという話も聞きます。
そんな微生物に掛けるロマンや夢がかいま見える一冊ですね!
微生物ハンター、深海を行く [著]高井研/ぼくは「しんかい6500」のパイロット [著]吉梅剛
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013090100006.html
