こんにちは

 

新潟で活動するトレーナーのふるかわです。

 

 


今回は主に胸椎についての備忘録です。

 

 

 

胸椎の可動性低下は腰痛症の原因のひとつとして指摘されています。

 

胸椎は脊柱の一部であり、主に回旋の機能を持っている関節です。

しかし、現場の経験では回旋動作のみに限らず、胸椎の柔軟な動作を引き出すことは非常に重要です。

 

すこし胸椎について調べていたものがあったので、取り出せるようにまとめておきます。

 

 

 

Chapter

 

  1. 胸椎、腰椎は関節可動域測定法がない
  2. 脊柱可動域について
  3. 上肢屈曲と脊柱の動作についてのレビュー
  4. まとめ
 
 
 
胸椎は関節可動域測定法がない
 
は関節可動域の測定ではゴールドスタンダードです。
 
実習や試験では必ず覚え、一度は見たことがあるのではないでしょうか
 
おおよそすべての関節に対しての関節可動域測定の方法が示されています。
しかし、脊柱の評価に関しては胸椎と腰椎を混同して「胸腰部」の動作として定義され、表記されています。
 
頸椎に関しては個別で可動域測定法がありますが、胸椎・腰椎に関してはないようです。
 
 
胸腰部の可動域については以下の通りです。
 
屈曲(前屈) 45度
伸展(後屈) 30度
回旋      40度
側屈      50度
 
 
 
 
 
 
脊柱可動域について
 
 
 
臨床での測定方法が定義されていないながらも、椎間関節単位の可動域は紹介されています。
 
(出典:JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol.15 No.2 2006 p170)
 
 
 
この図を見ると胸椎の前後屈の動作が少なく、回旋の動作が多いことがわかります。
 
これは椎間関節の関節面の向きの違いでこのような差がでていると言えます。
 
 
 
 
一見、胸椎前後屈(屈曲伸展)の可動性が少ないですが、実際にはここの可動域を獲得することが、上肢の運動や姿勢の維持に重要なファクターになります。
 
 
 
 
 
 
 
上肢屈曲と脊柱の動作についてのレビュー
 
 
上肢挙上と脊柱の弯曲角度を調べたレビューを見つけたので紹介します。
 
上肢を下垂位の状態から180度までの5肢位と、胸椎と腰椎の弯曲角度の関係を調べたものです。
 
 
 
結果は上肢を150度以上で優位に胸椎の後弯角度が減少し、
最大挙上位まで上げた時は16.8±1.7度も伸展方向に動きがあったようです。
 
 
その一方で、腰椎は最大挙上位でも6.3±4.6度しか変化がありませんでした。
 
 
 
これは動作を遂行する上で必要な関節の可動域は腰椎よりも胸椎であることが示唆されています。
 
 
腰椎は可動せず安定し、胸椎はしっかりと可動する状態を作る。
グレイクックの提唱した Joint by joint theory ですね。
 
 

ちなみに、ここで胸椎伸展が出ない人は
腰椎をさらに伸展するか
肩甲上腕関節をさらに動かす

ことによって動作を補填するので、肩や腰を痛める一因になります。



 
まとめ
 
調べてみても胸椎・腰椎の可動性を測定する方法は現場レベルだと見つけられませんでした。
(研究レベルであれば、脊柱に当てて測定するスパイナルマウスというものがあります。)
 
もしあれば教えてください。


 
わたしが受講したSFMAのブレイクアウトの中では胸椎の伸展動作を規定するものがありますが、腰椎を固定した状態で胸椎を回旋させる方法がとられていました。
胸椎の後弯が強いと椎間関節面の変化による回旋の可動域制限が生まれるためかと思います。
 

数値的な部分が出せなくても胸椎の可動性を評価するツールは外せません。
評価をする際は前額面での姿勢評価、SFMA、触診など、さまざまな測定方法を組み合わせて胸椎の可動性を仮定するのがよいですね
もちろん、オーソペディックな要素だけでなくモーターコントロール的な部分までチェックしなければいけませんね。





後記

左利きのエレンというマンガにハマってます