こんにちは

 

 

新潟で活動するトレーナーのふるかわです。

 

 

 

今回は「ボディシェーマ」について述べていきます。

 

完全に備忘録回です。いつにも増して見にくいことをお許しください。

 

 

 

 

Chapter

  1. ボディシェーマとは
  2. 正しい動作は正しいボディシェーマから
  3. まとめ
 
 
 
 
 
1.ボディシェーマとは

 

ボディシェーマの明確な意味を確認しましょう。

 

 

ボディシェーマ=身体図式、内的表像

 

ヒトが、自分がどのような姿勢をしているか、つま先がどちらに向いているか、触られた場所が身体のどこの部位か、重心はどこにかかっているかなど、安定した支持面を得た中での姿勢運動の学習過程で自身の身体内の部位同士の関係や、空間的な位置関係を運動の中で無意識に形成でき、想起することができる能力である。

これは自動的な姿勢運動のもとで形成されるが、あとで想起し認識できることが特徴である。

(脳卒中後遺症者へのボバースアプローチ基礎編p46から引用)

 

 

 

さまざまな刺激や状態に対して、自分の身体をどう感じて、どんな状態にあるかを認識している能力のこと

 

これがボディシェーマです。



 

 

ボディシェーマで有名な話だと、幻肢というものがあります。断した直後の患者が手足が依然そこに存在するかのように感じることがあるそうです。

 



この現象を見てわかるように、自分は実際にある身体とは別に、自分でイメージしている「自己」をもっています。


このイメージ上の「自己」のことをボディシェーマといってもいいでしょう。

(以下、自己と書く所は全てボディシェーマと変換しても大丈夫です)

実際の動作がイメージと同じである為には、身体と自己の認識にズレが生じていないことが必要です。



ちなみに幻肢では、身体と自己の間に認識の乖離が生じています。よって、ないはずの腕に痛みを感じることがあるそうです。



 

 

 

幻肢とは少し違いますが、左手に慢性的な疼痛を抱えている患者が書いた自己絵です。

自己の認識がズレてしまい、左方向への不安感から、認識が大きくなっていることが示唆されます

 

 

 

 

 

 

 

 

2.正しい動作は正しいボディシェーマから

 

 

ボディシェーマ形成は主に以下の感覚から情報を得て行われています。

 

・視覚

・前庭覚

・固有覚

・皮膚(触覚)

・重量覚

 

 

 

バスケで例えると

・相手との距離を測ること

・ボールを上手にドルブルすること

・相手を抜くこと

・ボールをゴールに向けて放つこと

 

この動作はすべて良好なボディシェーマを元に動作を行っていると言えます。



より素早く、多様性のある運動ができるためには、より自己のイメージと身体の状態にズレをつくらないようにすることです。

 

生理学的な要素以外はすべてボディシェーマがかかわっているといっても大げさではないかもです。

 

 

 

 


 


運動指導という観点でボディシェーマを考えてみると

 


運動経験の浅い子供たちに小さいころから競技特異性の運動ばかりやらせていること

 



これは、偏ったボディシェーマが獲得されてしまうため、あまりおすすめではありません。



競技を最終的に上手にするにはイレギュラーな変化に柔軟に対応できることが超重要です。

真面目に練習だけこなせばある程度の動きはできるようになりますが、トリッキーな動きは自己の認識外なため、出来ません。

多様な動きを経験していない子供はそれだけであと一歩及ばない選手になる可能性が高くなる。とも言えそうです。





また、

 

ひじをもう少しあげましょう や

膝が内側に入らないように などの

 

意識下で修正を行わせるようなキューイング

 



これも指導するうえではベストではありません。



 


これは何故かというと、



本来は自己の認識内で動作が調整される 


ので


動作だけ変えることは自己の認識外であり定着しにくい 


からです

 


 適切なボディシェーマを獲得することで、動作が無意識に適正化されるべきです。


動作を変えるには、今まで使っていた認識を、別の認識に変える作業が必要です。




言われた動きが、自分の知らない(持っていない)動きであるならば、それは意識下で行われます。


意識下は大脳で行われる作業ですので定着するまでに時間がかかります。

認識外にもかかわらず、動作の指導のみで練習した動きは、ゲーム中やふとした生活の瞬間には出ません。



※仮に動作の指導だけで直るような選手がいた場合、その選手はその動きに対する認識を持っていて切り替えが上手だったというだけで、全員がうまくいくことはおそらくありません。

 


 

ですから、無意識下で、なおかつ調整したい運動に対してトレーニングをする、というのがウルトラ大事なわけです。

 


ストレッチで可動の認識を

ウェイトトレーニングで重心を捉える認識を

アニマルフローで多様な動きの認識を

対面トレーニングで空間の認識を

連続ジャンプでタイミングの認識を


 

こういったトレーニングも実はボディシェーマを形成していくのに必要なわけです。

 

 

 


 

3.まとめ

 

 

 

ボディシェーマの高低を定義化・定量化するのはとても難しいです。

なぜなら、ボディシェーマは様々な感覚から形成され、入り組んだ多面的な要素だからです。

 

身体とボディシェーマ(自己)を一致させ、向上させていくにはたくさんの運動経験を積む、ということが一番の近道かと思います。

 

 

 


一面的な競技練習や運動に頼ることなく、動きの幅を増やし、広げ、他の空間との関わりを増やしていくことが、すべてのヒトが必要で有効な特効薬なのかもしれません。言い過ぎ?

 

 

 

 


それでは

 

 

 

 

 

 

 

 

後記
 
ボディシェーマの形成で最も始めのステップは親とのスキンシップともいわれています。
子育てもいろいろな観点でみると面白いですよね。
 
誰得なわけでなく、完全に備忘録でした。
こんな投稿もしていきますのでよろしくおねがいします。