こんにちは
トレーニングの指導をしているとよく
「下半身の筋肉が弱ってきて膝が痛い。」とか
「私の肩が痛いのは筋肉がないからですよね?」みたいな
方が多くいらっしゃいます。
確かに筋力、筋量の低下が起こす影響は大きく、サルコペニアと呼ばれる加齢に伴う筋肉量の低下について問題視する声もあります。
筋力がついてくることによって痛みが実際に無くなったという方もいるかもしれません。
(実際に無くなることは多いですが)
だからと言って 「筋肉がある=健康」 でしょうか。
私はこの話を聞くたびにボディービルダーって疲れない怪我しない最強人間なのかなって思ってしまいます。
そうではありません。
私が必要だと思っているのは
体が外界に対して適切に適応できているか
だと思います。
目で見て、
重力を感じて、
手で触って、
足で捉えて、
すべての体の感覚を適切に働かせていくことで脳の作用も適切化してくるようにできています。
多様性を持たせることによって人間は外界に対して安心を覚え、緊張が解き放たれるようになります。
トレーニングは多様性を身に着ける一つの手段であり、すべての解決方法ではありません。
トレーニングで戻った機能を体が覚えていくためには目で見て音を聞いて体で表現するような五感や体性感覚を十分に使ったアクティビティをしていく必要があるかと思います。
散歩やハイキング、好きなスポーツでもはたまたジェットコースターでもいいかもしれません。
体の機能は使わないと衰えていきます。機能を忘れないようにするためには、刺激を与え続けることが必要です。
フィットネスジムの役割はエクササイズができる環境を提供することです。
しかしそこにいるトレーナーの役割はエクササイズや筋肉一辺倒になることなく、すべてを網羅したウェルネスの提供だと思っています。フィットネスクラブに来た人を健康的にしていくためにトレーナーは時にフィットネスジムの外に目を向けた視点で思考を広げていく必要があるように思います。