糸リフティングは、はっきりとしたリフティング効果を早く見たい方が主に選ぶ施術です。物理的に皮膚を引き上げるため、施術後すぐに効果を見ることができるのが最大の特徴です。
リフティング用の糸の種類は非常に多いですが、当院ではシルエットソフトとミントを最も好んで使用します。この2種類は、それぞれの明確なメリットがあり、共に施術することでお互いのデメリットを補完し合うため、最良の結果を得ることができます。
今回は、当院で施術を通じて感じたシルエットソフトとミントの違い、それぞれの糸が合う部位と合わない部位について詳しくご紹介します。
シルエットソフトの特徴
シルエットソフトの特徴を一言で言うなら、長期間ゆるく引き上げる糸です。
PLLA成分は体内で分解されるのに1~2年の時間がかかるため、長い持続期間を誇る糸です。
また、糸の太さは比較的細く、柔軟で弾力性が高いため、表情筋周辺に糸を入れても異物感が最も少ない糸です。この2つがシルエットソフトの最大のメリットです。
デメリットとしては、リフティング効果の強度が思ったより弱いことです。シルエットソフトは、コーン型の突起が皮膚を引っ張りながらリフトアップ効果を作りますが、糸の長さに対して突起の数が少ないです。代わりにコーン型の突起が空いているスペースを動かせるため、顔の凹凸や表情に合わせて自然なリフトアップ効果を作り出します。
要約すると、「シルエットソフトは持続期間が長く、自然で異物感が少ないが、リフティングの強度は弱い」と言えます。
ミントの特徴
ミントの特徴を一言で表現すると、シルエットソフトとは反対に、短期間で強く引き上げる糸です。
ミントは弾力が落ちますが、太いし、強度が非常に強いです。また、ミントスは棘のような突起を使って皮膚を引っ張りますが、棘の数が多いため固定力が非常に強いです。そのため、リフトアップ効果が非常に強い糸です。
ただし、ミントのPDO成分は1年以内に体内で分解されるため、シルエットソフトよりも持続期間が短いという点がデメリットです。
また、リフトアップ効果が強い分、異物感が強く、表情筋周辺に使用するのは避けた方が良いです。
要約すると、「ミントはリフトアップ効果が非常に強いが、異物感が大きく、持続期間が短い」と言えます。
それぞれの糸を使用する場合
糸リフティングは通常、ほうれい線、マリオネットライン、顎ラインの3つの部位をターゲットにして施術が行われます。しかし、ほうれい線やマリオネットラインは表情筋が密集している部位であるため、注意しないと異物感やディンプル(皮膚のへこみ)、糸の突出などが現れることがあります。
表情筋が密集している部位(ほうれい線、マリオネットライン)には、ミントよりもシルエットソフトが良い選択と言えます。
ミントは太く、弾力が少ないため、これらの部位に施術するのはリスクが大きいです。もし、ほうれい線やマリオネットラインの改善が主な目的であるなら、糸リフトよりもフィラーを検討することをお勧めします。効果的な面でも、深いシワにはフィラーの方がより効果的です。
当院で糸リフティング施術を受けた方の中で、フィラーも一緒に受けた方々が多く、ほとんどの方がより大きな満足を表現しています。
二重顎やVラインなど顎ラインには、シルエットソフトよりもミントが良い選択です。
顎ラインは脂肪が多いため、太い糸で強く引き上げる必要があります。シルエットソフトは糸自体が柔軟で弾力性が強いため、顎の脂肪を引き上げるには適していません。もちろん、脂肪があまりない場合はシルエットソフトでも十分に良い効果を出せますが、効果的な面とコストの面を考慮すると、ミントを使用する方が良いでしょう。
当院では、シルエットソフトとミントはそれぞれのメリットとデメリットが明確で、臨床的な使用目的も非常に異なると考えています。そのため、患者様の肌状態に応じて、単独で行うか、複合的に行うかを決定し、シルエットリフト施術を行っていますが、シルエットソフト + ミントスレッドの複合施術が全体的に最良の結果をもたらすようです。
糸リフティンの施術ノウハウは医師によって異なります。中には表情筋の部位にミントを入れて優れた効果を生み出す医師もいます。これは施術に対する視点が異なるためです。効果を重視するのか、自然さを重視するのか、副作用の最小化を重視するのか、など医師によって観点が少しずつ異なることを理解しておくと良いでしょう。