心に深い傷を負いながら、暗い深淵で生きる者たち。
明るい光に満ちた世界を知っているからこそ、その淵は果てしなく深く、どこまでも暗い。
この映画で考えさせられたのは、孤独と愛について。
生きていると、気持ちを分かってもらえないことにストレスを感じたり、どれだけ誰かと共有して、慰め励まされたとしても、決して解かれることのない苦悩の存在に嫌でも気づかされる。
それが「孤独感」を生み出していく。
その苦悩の呪縛を解く鍵は、自分の手にしか届かない。そしてその鍵を手に入れるためには、その苦悩、孤独感と向き合うしかないのだ。
孤独を愛することは難しい。孤独感とは多くの場合苦痛や不安を与える。孤独の闇が深くて暗くて、二度と出られないのではないかと感じることもある。
ただ、その闇の中でこそ享受できるものがある。
それが「愛」だ。
孤独の闇は、私が、私の人生という広い海原にたった一隻のみ浮かぶ船であることを思い起こさせる。
そこから見上げた先には満天の星。
何にも灯されない暗い闇の中でこそ、より多くの星々が強い輝きを放つように、孤独を噛み締めその苦味を思う存分味わった者にこそ、真の愛を受け取ることができるのだ。
孤独を味わった者同士だからこそ、そこに存在する愛の価値に気付き、共に育てていくことができる。
誰にも侵すことのできない、その真の愛に包まれた境地に行きたければ、空の星を目印に、自分の船の舵を切って、孤独の海を突き進むのだ。
孤独を愛せなかったとしても、恐れず受け止めていこう。