佳子は信彦と一緒に夕食を食べた。
「あなた、この頃昼間、散歩でも行っているの」「うん、スポーツ公園へ歩いて行っている」
「散歩の目当ては女の人のテニスプレーを見てるんでしょう、それも、でれーとして」
「な、なんで知っているんだい」「この前テニスコートの前を仕事で通ったら金網
にへばりつくくらいしして凝視していたよ、次の日も通ったらよろよろ動きの悪い
おっさんがラケットもって左右にふらふらしていたよ」
「見てたら声をかけたらいいのに」
「きれいな?おばさんたちと遊んでいる邪魔はできないじゃない」
佳子は自分が働いているのに、いくら定年後と言えども
ぶらぶらしている信彦に腹が立っていた。「半日くらいバイトしたら。
テニスコーチはとても無理だし、私の宅配の助手でもする?」
佳子は自分がせっせと働いているときに、知らないおばさんと
談笑したりしている夫が許せない気持ちが芽生えた。