元の会社が休みだったので、信彦は後輩の純也をテニスに誘った。


純也は独身でまだ34歳だ。


「こんにちは、岡部純也です。よろしくお願いします」純也は康子とともみに丁寧に挨拶した。


「こちらこそよろしく」「ヘー純也さんは若くてハンサムやなあ」と言おうとして康子は言葉を


飲み込んだ。「イケメンコーチより上級やわ」と心の中で呟いた。


これから熟女の純也争奪戦が始まろうとは誰も知らなかった。


信彦の妻の佳子は宅配便のアルバイトをしている。


たまたま、テニスコート付近の道路を走行して、自分の夫らしい


人物がおばさんたちとテニスの練習をしているのを見かけた。


あの禿げたツルツルの頭は夫に間違いない。


わずかに頭部の横に申し訳程度に白髪まじりの頭髪がある。


「退職して好きなことをするのはいいがあんなおばはんたちやったら


私のほうがよっぽど若く見えるわ」と自我自賛した。優越感を感じた。


佳子はスリムな体型だった。「デブチンおばさんなら夫も誘惑されることはないわ」と


思いながらもなぜか面白くなかった。