ホラーといえば、旧友が翻訳をしていて、ホラー小説の翻訳もしていた。
別に好き好んで手がけたのではなく、まだ駆け出しだったので、仕事を選ばせてもらえなかっただけだそうな。
彼女は、ホラー好きではないが、特別怖がる方でもなかった。でも、悪夢を見たりはしたらしい。

私は、というと、前回も書いたけど、怖い映画や小説で「ぞっ」とすると、それが元で風邪を引いたりすることがままあった。
しかし、私の中で恐怖映画の最高峰である「リング」では、なぜか熱は出なかった。

それはある夜中。へんな時間に目覚め、次の朝いつもより早く出勤しなければ行けなかったので、そのまま起きていることにした。
で、少し前に録画してあった「リング」を思い出し、見ることにした。
「呪いのビデオ」というアイディアが面白そう、とは思ったが、日本映画にさほど思いいれも期待も無かったので、完全になめていた。

そう、私が間違っていた。

モノクロームで、意味不明な、これといって恐怖を喚起するでもない映像の連続で出来た「呪いのビデオ」。しかし、考えて見れば、世に「心霊写真」とされる写真も、一見、どうということも無い画像のものが多い。
その「どうということも無い」感じが、途轍もないリアリティーとなって迫ってきたのだ。・・・

・・・か、語ってしまった。

ともかくも、ビデオを見終え、したくして出勤した。
その日は、職場に私が一番乗りだった。部屋の前まで来ると、中で電話が鳴っている。あわてて鍵を開けて中へ入り、受話器を取ると、もう切れていて、「ツー、ツー・・・」という音。・・・・・

出来すぎですよ。

・・・結局、その電話は、私と同じ時間に来るはずの職場の若い衆からの「寝坊しますた」コールだったわけだが。

まあ、その後何ヶ月かは、部屋で消えてるテレビの画面を見るのが恐ろしかったっす。


その後、リングの続編も、ハリウッド版も、一切見ていない。なんで、お金を払ってあんな怖い思いをせにゃならんのだ?!

というわけで、ホラー映画自体、ほとんど見なくなったのは「リング」のおかげ?なのだ。