~多くの年代記は伝説や戦争の話ばかりで、〈愛〉や〈幸せ〉については書かれていない…~
という訳で、切り絵アニメーション映画『ホンジークとマジェンカ(1980年・チェコ映画)』を見ました。
ちなみにカレル・ゼマンの作品は、以前に『水玉の幻想』や『クラバート』も鑑賞しています(次は『盗まれた飛行船』を見るぞ!)。
ホンジークとマジェンカ。写真は、二人が結ばれた瞬間の感動的なシーンです(ネタバレ?)。
この写真は、ホンジークを赤ん坊の時から見守ってきた(左から順番に)"笑い"、"善心"、"悪心"という人間の三つの心の具象であるという三人の小人たち。
もーこの二人の関係がせつなくて、またせつなくて・・・!(お話はすれ違い系ラブストーリーです)
ハッピーエンドなラストは、顔がニヤケたり乙女心がキュン・キュンなっちゃったりして、人さまには見せられない恥ずかしい状態になっていた事をここで報告しておきます(誰得^^;)。
この"善心"と"悪心"の小人が、まさに"天使"と"悪魔"のそれと同じように人生の選択に悩むホンジークにあれやこれやと囁いていて、そのかけ合いの一部始終が妙に人間味を感じられるものばかりで何処か可笑しかったです(この二人の姿を傍観して笑っている"笑い(灰色)"の立ち位置がまた絶妙で、これも面白かった^^)。
愛しの彼女に会いたいがために、アッチの世界の人になってしまったホンジーク。
変わり果ててしまった自らの姿を見せられない彼が、鎧を着てマジェンカをかっさらっていくシークエンスは爽快でありせつなくもありで、個人的にはかなりのツボな名シーンでした。