病院のルールで、おむつ交換や体位変換をするときはベッド柵を外すことになってる。
柵を付けたまま、寝たきりで動けない患者さんの体を横に向けると、曲がって拘縮している膝などが柵にぶつかると、スキンテアができるから。
スキンテアというのは、外力がかかって皮膚がこすれたときに、表皮がズルっとめくれたもの。
とくに高齢者の皮膚は表面の皮膚をそっとつまむと、ビィーンと伸びるほど余ってる。それがずるっとめくれる感じ。
痛覚の神経がむき出しになるから、とにかく痛い。
自転車でこけてズル向けになったら痛い。そんな感じ。
柵にぶつけるだけじゃなく、服だけをつかんで体を引っ張り横に向けても、服で摩擦が起こって上腕の皮膚がめくれたりもする。
だからそっと、優しく丁寧にしないといけない。
先月から異常にスキンテア発生が多くて、
褥瘡委員でもあり、創傷治癒管理を修了している特定看護師としても、放っておけない事態。
先日出勤したら、また、膝にスキンテア。
助手がおむつ交換をしている部屋へ点滴確認するふりをして入ってみた。
2人ペアでおむつ交換をしているけど、一人が柵したまま。
「柵、取ってしてくれる?最近スキンテア多いやん?柵が原因のことが多いからね」と優しく指導。
ほかの部屋のバイタルとかして、その部屋に別の用事で戻ってきた。
さっきとはべつの患者さんのおむつ交換中だった。
またさっき指導した助手は、柵をしたままおむつ交換してた。
私が無言でにらみつけていると気づいて、無言で柵を外してる。
ブチっ!!!!
「さっき言ったやんな!? 私の前でしか柵は外さんのか!」
もう!
朝から怒るのはパワーいるのよ。
後で、柵をちゃんと外してる助手が言う。
どんなに注意しても、あの人だけではなくほかの人も外さない。助手同士で注意しても言うこと聞かへんから、看護師さんに言ってもらう方がいい。
私の前では、看護師も助手もみんな柵を取るから、ほとんどの人が柵を取ってると思ってた。
現実は違うようだった。
柵を外そうと、ヤイヤイ言うとしばらくは外す人が増えるのに、
ちょっと言わなくなると、すぐにこうなる。
なんなん。この病院。
それでも、スキンテアはなくしたいから、
また、私は嫌われ役か。
「柵外せおばちゃん」になろか。
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