マツがうちに来たのは今から11年半くらい前。息子は5年生で、娘は4歳だった。
娘が『ぶつぶつのワンワンがいい』って言うからダルメシアン、自分で選んだくせに
リボンが付けられないからってっ耳にリボンを結んじゃったりして。
しかし、想像以上にパワーがある犬でホントに手こずったね。けど憎めなかった。
海老フライを揚げた後の油を全部舐めちゃったり、お団子を盗み食いしてお尻から長い串が
出てきたり。生のお米食べたり。
おもしろい事もいろいろできた。毛布を誰かにかけてもらったかのようにきれいにかけたり、
暖かい日は小屋の外に毛布を出して夕方になると小屋にいれる。まるで干してるみたい。
嬉しいと歯をむき出してわらう。いつも体に触っていてほしいから重いのに寄りかかってくる。
軽井沢へ行ったら、いつものテニスコートの場所を知っていて一人で行っちゃったり、11年間一緒に楽しく暮らしてたね。
マツはいつまでも元気で子犬のように走り回れるって思いこんでいたのが急に衰え始めたのが秋かな。
今まであんまり引っ張るから自転車で散歩していたのが遅くなってきた。
10月ごろからは念願の、歩いてゆっくり犬の散歩が実現して、朝晩30分歩いてお散歩するようになったね。
マツとの散歩は平日は私ばかりで、でもお陰で季節の移り変わりを感じることができた。一人じゃ散歩なんてしないもんね。
春の桜。この木は桜だったんだって気付かせてくれて、夏の朝の気持ちよさ、秋の夕日のさびしいこと。
落ち葉がたまった中によくおしっこしてたね。冬の朝は寒いけど深呼吸するとやる気が湧いてきた。
夕方5時なんて真っ暗で、街灯の下でうんちしてくれないと見えやしない。
今思えばめんどくさかった散歩が何て穏やかな時間だったんだろう。
マツは昨日急死しました。
朝、元気がなくていつもならよだれ垂らして私が朝ごはん作るのを見てたのに、その日は起きてこなかった。でも作ってる間に何回もマツが見てる気がしてそっちを見るんだけどいない。毛布にくるまって寝てるの。
それから起こして、雨が降ってたけどおしっこだけ公園でして、ご飯を半分くらい食べて寝ちゃった。
なんだか気がかりだったけど仕事へ行って、仕事しながら、今度一緒に寝てあげようかな、もう少し
あったかくなったら下のソファで寝てあげたら喜ぶだろうなと、考えていた。
仕事から帰ると寝てたけど起き上がって尻尾を振ってくれたけどまたすぐ寝ちゃった。
でも『マツ、トイレだけ行こうよ』って、公園でちゃんとして、かえってから茹でたお肉だけあげたらまた
寝にいっちゃった。
それから娘と買い物に行って帰るとマツは自分で綺麗に毛布にくるまって寝ているようだったけどなんだか違う感じがして、よーく見てみたら死んじゃってたの。たった今死んじゃったみたいにいつもと同じ体温で。
何があったんだろうなあ。老衰なのかなあ。手がかかっただけにあの子がいなくなってまだ24時間たっていないのに耐えがたい寂しさ。
すぐ涙があふれる。マツが私に向けていてくれた愛情は半分も返せていないようなきがする。
どんな時もすぐに出てきて喜んで迎えてくれていた。そういう無二の愛情を注いでくれる存在ばかりが私のそばからいなくなっちゃう気がして、3年前の春同様、また今年もさびしい春です。
携帯をブラックベリーに替えてからアメーバがつかいにくくてフェイスブックに投稿してました。
でも、マツの事は残しておきたくて。
本当にいろいろごめんね、そしてありがとうね。大好きだよ。