仲良くお昼ご飯食べてたのに急に無言になって明らか態度おかしくなって、どうしたのって聞いたら「急に不幸な気持ちになった…」とか言われる。いや勝手になるのはいいけど巻き込まないで?ひとりでなってて?そんなのに付き合う気はないよ。
結局そのあとのお出かけも全部キャンセルで帰宅。もう疲れた。はっきりと迷惑、って伝えた。
そこからはDちゃんは本当に元気だった。あんなに楽しそうに笑う旦那さんを私はどれくらいぶりに見たんだろうって思った。そりゃあ私だって親友たちに会えなくなればたちまち病む自信はある。しかもDちゃんは本当に今激務でそれに拍車をかけている。私は多分この人を傷付けるようなことをその時でも言わないと思うけど、相当荒むだろう。だから、どうにかしたかった。でも私だけじゃ無理だった。
残念ながらこの日もまだ薬が抜け切っていなかったので覚えていない部分も多いんだけど、Dちゃんがいない時親友さんに「Dちゃんはなんで結婚したの?しない方が本人的に良かったんじゃないの?」と聞いた。「俺を見て結婚願望が出たっていうのは確実にある。本人も寂しいっていうのはあったんだろう」「あいつはゆきちゃんじゃないとダメだったよ。他の子じゃこれは無理だ。まぁゆきちゃんはだいぶキツいだろうけど。俺らはね、Dとは長い付き合いだからこいつはなんとかできるんだ。だから今俺らが本当に心配なのは、ゆきちゃんなんだよ」その後Dちゃんが帰ってきて「D、俺が言うのも変な話だとは思うんだけど、本当にゆきちゃんを大切にしてくれ」「俺の奥さんも泣くんだよ本当に。今朝も泣かれた」親友さんの奥さんのことである。まじか。悪いことをした、私は反省。隣でDちゃんがものすごく焦っていた。
Dちゃんはいつも楽しい席で真剣に相談をしたり愚痴ったりしない。「しんどいわ〜」くらい。でも今回は「もう俺、何のために頑張ってるのか分からなくなって。お前らもいないし」としょげていた。「いつでも帰ってきたらいいし、お前が帰ってこなかったら俺が来るよ」と親友さんは当たり前のように言っていた。その場でもう一人の親友にも電話して、来月地元に帰る日を決めていた。これでいいんだ。お金がかかろうと時間がかかろうと、そうしなくちゃいけない。本当にこの人はこういう人なんだ。でもこれだけ愛してくれる親友たちがいるということは、本質的にDちゃんもいい奴なんだろう。地元にいるときは本当に気のいい奴だったらしい。こっちで出会っているからそれはもう都市伝説レベルで見たことがないんだけど、いつか見れるのかな。
朝一番、目覚めるとベッドにいた。Dちゃんが連れて行ってくれたようだ。そして長い長いLINEがDちゃんから来ていた。私も長文だったけど、その2倍はあった。彼なりの仕事への考え、自分の性格の分析、私への気持ちが書かれていた。この分析と私への思いは聞いたこともないくらい正直で、時に自分を非難し、その自分をどう受け入れてきたかを記し、親友からの言葉を聞いた自分をまた分析し、最後は私への思いで締められていた。何度も何度も読み返した。でも薬の副作用で頭がぼーっとしていてなかなか理解できない。仕方がないので全文メモ帳にコピーし、ぼーっとする続きをする。
携帯が鳴った。LINEだった。Dちゃんの親友の奥さんから。「今旦那さんをそちらに送り出しました。Dちゃんには言ってないということです。2人とも今日家にいたらいいんだけど」びっくりした。日帰りで来てくれるというのである。そしてもう家を出ていると。慌てて奥さんに電話して色々話したんだけど、通話履歴1時間くらい、ほとんどどんなことを話したか思い出せない。ただ奥さんは「あの人たちはずっと一緒が当たり前だから」と言っていた。本当にそう。
そうこうしているとDちゃんが起きてきた。機嫌が悪いのかなにも話さない。あんな正直なLINEを送っておいて何もないとか逆にわけがわからない。とりあえずDちゃんの親友が来る時間までじっと待つ。来てくれさえすれば、とすがる気持ちだった。
インターホンが鳴る。私が出て深々と頭を下げたのは覚えている。そこからは「なんで!?」というDちゃんにバトンタッチ。「お前の声聞いたらこれは会わないといけないと思ったから、来たよ」と言ってくれていた。こんなに良い親友に恵まれて、この人の本質はいい人なのかもしれない、なんて思った。
1週間空いた土曜日。Dちゃんの残業時間は70時間を超え、80時間も目前。過労死レベル近づいてるけど大丈夫?と思ったけど大丈夫ではない。今日の土曜日はDちゃんを心療内科に連れて行く日。予約も運転も全部私がやる。何故かって、そんなのよくなって欲しいからじゃん。
しかし話の内容はひたすら仕事について。隣で「家での暴言については」についてめちゃくちゃ語りたかったけど、とりあえずDちゃんの思っていることを聞くことに専念しようとできるだけおとなしくしていた。ここまでは良かった。
実はこの土日、Dちゃんの地元に連れていこう計画が水面下で進んでいたのである。私とDちゃんの親友2名とその奥様1名で。みんな付き合いが長いだけあって、今の彼が相当やばいことはわかっていた。私が連れて行かなければ男性陣だけでこちらにきてくれる話が持ち上がっていたほどだった。いやいやいや、身軽な私が連れていきます、とね。それを病院が終わって話をしたらまぁ拒否。びっくりするくらい拒否。二言目には「あいつらと飲みたい」なんて言っていたくせにこの時は頑として首を振らなかった。まじかよ。
もう仕方ないので「お友達には連絡いれておいてよ!」と語気も強くなる私。当たり前だ、きみのしんどいしんどいにいったいどれだけの人が振り回されていると思っているんだ。
そのからは機嫌は悪いは「本当に俺のことを思っていてくれているなら〜」「そんな上から言われたら感謝の気持ちもなくなる〜」「結婚の価値観がそもそも違って〜」「だいたい病院に連れて行ったのだって、自分が当られたくなかったからでしょ〜」などなど。
これにはぶちぎれだ。こいつバカを通り越して宇宙人だ。救いようがない。帰宅して即安定剤を飲んだ。まぁひたすら飲んだ。よって夕方からの記憶はない。死にたかった。飲みはしなかったけどフルニトラゼパム20mgを握りしめていた。これはかなりの確実で死ねるから、最後だと思った。でも飲まなかった。まだ覚悟がなかった。

そこからぶつりと記憶は途切れている。
お約束の金曜日がやってきた。Dちゃんの帰宅は相変わらず22時。へろへろしている。それでも話し合いのことはわかっていたので、換気扇の下、地べたに座り、ビールとiQOSをセット。これで動く必要性はない。
ちゃんとね、私が送った長文メールを見ながら答えていた。謝られた部分もあった。だからできるだけスムーズに聞けた。とりあえず今度からは「相手にわからないであろう仕事の話でも、話していこう」と決まった。別に理解してもらおうと思いすぎなくて私はいいと思う。自分の口から出して、説明して、また自分の耳に入れることで思考の整理になると思ったから。ちなみにそれはほぼ毎日やっている。そうすれば何となく気分が落ち着くのか、遅い時間にはなるが夕飯を食べ出す。これは良い傾向だと思う。
1週間は問題なかった。この1週間は幸せだったと今なら思う。