副腎皮質ホルモン ステロイドについて
ステロイド分泌
視床下部の下垂体前葉RIH(releasing inhibiting hormone…放出ホルモン)放出
↓
CRH(corticotropin-releasing hormone…副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン…コルチコレリン)が脳下垂体前葉のACTH分泌促進
↓
脳下垂体前葉でACTH(adrenocortico-toropic hormone…副腎皮質刺激ホルモン)の分泌
↓
副腎皮質束状層の細胞膜受容体に結合
↓
アデニル酸シクラーゼ活性化
↓
細胞内cAMP濃度上昇
↓
コレステロール供給を増加
↓
前駆体プレグネノロンの生合成促進
↓
副腎皮質ホルモン、糖質コルチコイド(ヒドロコルチゾン)生成・分泌促進
副腎皮質におけるステロイドホルモン生合成-糖質コルチコイド経路-
コレステロール
↓←ACTH・NADPH・O2
プレグネノロン
↓
17α-ヒドロキシプレグネノロン
↓
17α-ヒドロキシプロゲステロン
↓
11-デオキシコルチゾール
↓
ヒドロコルチゾン(コルチゾール)
↓
コルチゾン
作用
少量…ホルモンとしての生理作用
大量…抗炎症・抗アレルギー・免疫抑制作用などの薬理作用
(1)代謝
1.血糖上昇
糖利用抑制
糖取込抑制
アミノ酸からの糖新生促進
2.タンパク質異化促進作用
組織のタンパク質分解→アミノ酸化
筋肉重量減少→筋肉萎縮
骨基質のタンパク質減少…骨粗鬆症の原因
3.脂肪分解促進作用
脂肪組織でのTG(トリグリセリド)分解促進
↓
血中遊離脂肪酸増加…四肢筋の脂肪減少
(2)抗炎症作用
炎症性サイトカイン(TNF、IL-8など)の産生抑制
炎症に関与する酵素(ホスホリパーゼA2、シクロオシゲナーゼ)の生成抑制
炎症性酵素を阻害する物質の産生促進
(3)免疫抑制作用…抗アレルギー作用、拒絶反応抑制作用
マクロファージ集積及びIL-1産生抑制
↓
ヘルパーT細胞の活性化
↓
IL-2産生抑制
↓
・B細胞の抗体産生抑制…?T~?V型アレルギー抑制
・キラーT細胞の活性化→細胞障害性サイトカイン放出抑制…?W型アレルギー・拒絶反応抑制
IgE産生抑制→?T型アレルギー抑制
自己抗体産生抑制→?U型アレルギー抑制
マクロファージ集積抑制
↓
ヘルパーT細胞増殖抑制
↓
IL-2産生抑制
↓
細胞性免疫・抗体産生抑制
(4)胃酸分泌促進
PGE2産生抑制→胃酸分泌
(5)ACTH分泌抑制
(6)弱い鉱質コルチコイド作用
ナトリウムイオン貯留
カリウムイオン排泄
↓
浮腫・高血圧・筋力低下
副作用
(1)下垂体副腎皮質機能不全
長期連用によるACTH分泌抑制
↓
副腎皮質萎縮
(2)感染症誘発
抗体産生抑制・細胞性免疫抑制
↓
免疫力低下
(3)消化性潰瘍
PGE2生成抑制
↓
胃酸分泌促進
(4)骨粗鬆症
腸からのカルシウムイオン吸収抑制
↓
血中カルシウムイオン低下
↓
パラトルモン分泌促進
↓
骨吸収促進
タンパク質異化促進
↓
骨基質のタンパク質分解促進
(6)浮腫・高血圧
大量投与
↓
ナトリウムイオン・カリウムイオン交換系促進
↓
血中ナトリウムイオン上昇
(7)糖尿病
組織への糖取込抑制
アミノ酸からの糖新生亢進
(8)その他多数