-【狛犬ノート】----------------------------

      タイプ■昭和型山犬風?
      建立年■明治五壬申年正月
      寄進者■願主:東京室町壱丁目 山本徳治郎 山本海苔店
          世話人:金子彦右衛門、他十数名
      石 工■<刻>飯嶋吉六
      保存状態■良
      撮影日■2015.1.24
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ことの真偽を確かめるために、この神社にやって来ました。
狛犬の台座には「鶴見橋 石工 飯嶋吉六」とはっきり刻印されています。
願主は、山本海苔店の取締代表、山本徳治郎(2代目)。
手水舎と同じです。



ただ、この狛犬は、どう見ても吉六作とは思えません。
あまりにも特徴が違いすぎます。
これは円丈師匠も言われているとおり、台座と上の狛犬が別物であると思えます。

          

眼と口が彩色されています。ギョロ目ですね。
山犬に近いスリムな体型。
仔を見ても、やはり違います。吉六に特徴的な、今にも動き出すような所作が見られません。

          

これはこれで、特徴的でおもしろい一対ですが、吉六作を見たかった~。
この狛犬の先代が吉六狛犬で、台座の上だけ据え替えられたのではないかと思います。

          

背後からの尻尾の先は、阿吽とも同じカット。
欠けたわけではなく、いい保存状態です。

          

時々、狛犬と下の台座の設立時期が違うものはありますが、そういう時って、新しい狛犬の願主や製作者は、「違う、うちや!」と文句をつけなかったのかしら?
もはや知っているのは、この狛犬たちのみ。口を利いてくれさえすればわかるのに。
この世界、まだまだたくさんの謎に満ちています!

     ● 若雷神社

     ● 若雷神社の手水舎