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      寺 号■飯泉山勝福寺(飯泉観音)
      所在地■神奈川県小田原市飯泉1143
      宗 派■真言宗東寺派
      霊 場■坂東三十三観音第5番
      観 音■十一面観音
      開 基■道鏡
      参拝日■2014.6.8
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この寺の開基は奈良時代の僧道鏡。
孝謙上皇の没後、下野国薬師寺に左遷された道鏡が下野国へ赴く途中、上皇から賜った十一面観音を安置したがはじまりだそうです。



ここの仁王門に、まず圧倒されました。
古い!私好みの油の抜け切った古めかしさ。
京都や奈良の古刹に来ているようです。



門を入ってすぐ右に、不釣合いなほどに新しい納経塔がありました。
古い鐘楼もあり、まずはここで鐘をつきます。
いい音色が境内に響き渡りました。







本堂も古さが漂っています。おびんずるさまもいました。
ここのご本尊が、先ほど飯山観音で一緒だった方が教えてくれた、今年、33年ぶりにご開帳をする観音様です。
像を拝めるのは、11月の数日間だけ。大勢の人がお詣りに来るでしょうね。



本堂斜め横には、膝をついてお堂を仰ぎ見ている像がありました。
二宮金次郎さんです。
この近くの出身ですからね。



彼は観音信仰に篤く、熱心に参詣していたそうです。
薪を背負って本を読んでいる以外のポーズの彼を、初めて見たかも。
京都にある「土下座像」を思い出しました。



庫裏には、白い巡礼装束や観音掛け軸など、ほかの札所よりも巡礼グッズがたくさん揃えられていました。
大きなお寺だからかな?とその時は思いましたが、ここは坂東霊場で一番西に位置するお寺。
遠路はるばるやってきた西方からの巡礼者が、ここで支度を整えて、東に向けて坂東巡礼に繰り出す場所でもあるのだそうです。
それで一式が揃うようになっているんですね。

「勝」に「福」と、おめでたい名前なので、ダルマのグッズもいろいろとありました。



帰りは、鴨宮を越えて、国府津駅まで歩くことにしました。
道はほぼまっすぐの道路。時折石碑があり、「巡礼街道」と書かれています。
そう、ここは、坂東観音巡礼者がかつて通った道。
4番の鎌倉・長谷寺を参拝した人は、この道を通って5番の勝福寺へと向かっていきました。



今では、歩いて巡礼する人はほとんどいないだろう、ハードな坂東巡り。
名前だけが昔のまま残っています。



巡礼者のガラス絵も、ところどころにあります。
なんだかコロボックルみたい。



新木橋のところで巡礼街道は終わり、道が何本かに分かれたため、東海道線の線路に近い道を選んで行きました。
そうして駅に到着。50分くらいでしょうか。
都心を離れたJRの一駅の遠さをあらためて実感しました。

            ● 勝福寺の青銅水鉢

            ● 勝福寺の烏枢沙摩明王