-【狛犬ノート】----------------------------

      タイプ■江戸中・江戸尾立
      建立年■天明8申極月吉日(1788)
      寄進者■願主 鴨志田興右エ門
      石 工■鶴見村 飯嶋吉六(吉六の銘の残る最も古い狛犬)
      保存状態■良
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日が沈む前に、あなたたちに逢いたかった!
末吉神社から、鶴見川を越えて大回りして江ヶ崎までやってきたのは、この狛犬に会うためでした。



ここの狛犬は、私が追っている石工、飯嶋吉六銘の最古のものだそうです。
つまり、何代にも渡って受け継がれた飯嶋吉六名の祖の作品。
見ないわけには行きません。
ちなみに彼は、吉六として名乗りをあげる前は石屋五郎右衛門という名前で仕事をこなしていたそうです。

          

かなりアゴが豊かな一対。
阿形は宝珠、吽形は角を持っている点が、江戸中期の伝統的スタイル。
阿形は後ろ側、吽形は前側の台座が壊れてしまい、修理されています。
コンクリ補強でしょうか。色がくっきりと違ってしまっているところが哀れ。
この狛犬は台座がさほど高くなく、簡単に人が触れる位置にあります。
人は狛犬の前脚に手をかけやすいため、どうしてもその部分の破損が多いのでしょう。
この境内にはブランコなどの遊具があり、子供の遊び場となっているようですし。

               

でも、それ意外の肝心な部分は保存されています。
彫りのデザイン、丁寧さといい、全体的なバランスといい、良い出来です。

          

200年以上も前に作られて、今なお壊されることなく、変わらず神社を護り続けていることのすごさ。
古い狛犬を見るたびに、経年劣化や時代の荒波に負けることなく、人々に大切に保存されてきたことに、感銘を覚えます。

          

また、よく見ると、拝殿の柵の中になにかの存在を発見。
人形の像でした。
よく、神社の楼門には随身像が安置されていますが、それと同じ意味合いでしょう。
こちらは左大臣・右大臣。
これも吉六の作でした!狛犬と同年に作られたものです。

          

狛犬と左右大臣の配置は、このようになっています。
にぎやかで、ファミリーのようですね。



200年前の狛犬に会いたくなったら、またここに来ようと思います。

            ● 江ヶ崎八幡神社

            ● 江ヶ崎八幡神社の青面金剛像