その7からの続きです。

○ 最後のショートカット

今回、時々は電車に乗るものの、昼食を取ってからずっと休憩なしなので、さすがに脚がくたびれてきています。
でももう夕方。カフェに入ると、日が暮れてしまうため、がんばって歩いていきます。
残るはあとひとつ、品川寺。
本当はこの日、ワンデーパスのみで動こうと、中延から40分ほど歩く決心でいましたが、暗くなってきたので決心は簡単に揺らぎ、「ショートカットしよう」ということになりました。
門前仲町から大江戸線で大門に出て、そこから都営浅草線で京急に入り、青物横丁まで乗るというルートです。
青物横丁駅から歩いて5分なので、大きな時間短縮になります。

話がついて、二人で大門で乗り換え、京急直通線に乗り込もうとしたら、来た電車は北総線でした。
おお、これが日本一高い北総線ー。
ワクワクと乗りこみましたが、なかなか発車しません。
あれ?と思っていると、アナウンスが入りました。
「北馬場で人身事故があったため、全線運行を休止しました」
えーっ!北馬場って、青物横丁の一つ手前の駅じゃないー。

しばらく待ってみましたが、動く様子もなかったため、「仕方がない」と浜松町に移動して、品川までJRに乗りました。
そこまで行ってもまだ京急は動いていません。駅員さんに東急バスがあると教えてもらいましたが、バスが来るまでに時間がかかったため、再びJRで大井町まで出ました。
そこから、まずは青物横丁まで歩きます。
最後の最後に、こんな落とし穴があったなんて―。

結局、門前仲町-(大江戸線)→大門-(徒歩)→浜松町-(JR)→品川-(JR)→大井町、というルートになりました。

ユウは「旅の安全を祈願する六地蔵巡りなのに、その途中で事故に遭っちゃうなんて」とブツブツ。
きっとお地蔵さんが願いをかなえてくれるまでに、ちょっと時間がかかるのよ。
おなかもすいたし足も疲れていましたが、下り坂だったのが幸いして(これが地蔵パワーなのかも?)、快調に青物横丁までたどり着きました。

○ ⑦ 品川寺(品川/東海道)

もうすっかり夜になってしまいましたが、品川寺(品川区南品川三丁目5-17)はほどなくして見つけられました。
境内も閉まっていなかったので、ホッとします。
地蔵尊は、門の外に鎮座していました。

春の夜のゆめ


もうすっかり夜で、目を凝らしてようやく見える感じですが、このお地蔵さんは他の地蔵尊像のように頭に笠を載せていません。
笠をなくしてしまったようです。
でも、鮮やかな色の花が供えられており、丁寧に祀られているのだとわかりました。

春の夜のゆめ


山門の中へと入ってみます。
もう真っ暗。灯りをともしてようやく辺りがぼんやりとわかる程度。
大梵鐘も闇の中に沈んでいます。

春の夜のゆめ


「本堂はどこなんだろう?」とあちこち探して、ようやく探し当てたお堂内の中は明るく、やはり色とりどりの花が供えられていました。

春の夜のゆめ


ここは品川寺と書いて、ほんせんじと読みます。
そういえば、九品仏の「ほん」ですね。川を「せん」とは時々読むし。
開山は弘法大師。
真言宗醍醐派ということで、醍醐寺の系列なのだなとわかります。

春の夜のゆめ


このお寺は、旧東海道の入り口に、一番最初に建てられたもの。
お寺の前は、整備された旧東海道。
灯りがともって、いい雰囲気でした。

○ 全ルート達成!そして目黒までウォーキング

ようやくこれで、六地蔵(+1)をコンプリート!
両手を挙げて、ヴィクトリー!
全て参拝するのに、8時間かかりました。
五色不動尊よりも時間はかかっていませんが、思ったよりもあちこち歩いたため、なかなか疲れましたー。

春の夜のゆめ


「さあさあごはん!」ということで、身体のために動物性たんぱく質(つまりお肉)を取りました。
お酒をちょっと飲んで、ハイになった私たち。
「やっぱりワンデーパスを使い倒さなくっちゃね!」ということで、青物横丁から都営地下鉄の目黒駅まで歩いていくことにしました。

春の夜のゆめ


目黒川沿いに歩いていくと、なかなか気持ちもいいものです。
恐竜のある公園を見かけて、テンションが上がりました。
でも、よじ登って遊ぶ体力は、さすがに残っていませんでした。
ユウは、初めは「そんなに歩けない~」とアンニュイでしたが(うそだー)、もともと道路好きのため、標識を見て「山手通りを歩けるなんて」と感激して元気になりました。

春の夜のゆめ


春の夜のゆめ


目黒駅で解散。それぞれ逆方向の電車に乗って帰りました。
ワンデーパス、計算してみなくてもわかるほど、十分元をとりましたー。
六地蔵巡りはとても地味だと思っていましたが、それはそれでおもしろかったです。
不動様やお地蔵さんを探して歩くと、今なお東京に残っている江戸の風情を味わえるのが、新鮮。
目的を持って動くと、これまでとは違う視点で街を眺められるのも、楽しいものです。
無事に全てお参りできたし、あとは満願成就を待つばかり。
次回は、本家本元の京都六地蔵巡りかしら~?