手術は麻酔が効いて意識は薄れたけど完全になくなったわけではなく
まるでうずしおの中にいるようなグルグルとした感覚があった。
器材の音
先生と看護婦さんの話し声
掻き回されているような感触
自分の呼吸
全て覚えている。
しばらくすると看護婦さんに『終わりましたよ』と声をかけられた。
『終わりましたか。』
そう答えたのを覚えている。
前日の晩から何も飲んでいなかったので、とても喉が乾いていた。
『痲酔がきれるまで横になっててね』と言われ部屋の電気を消される。
安静にしていると旦那さんが入ってきた。
血圧計と点滴をつけ
麻酔でうつろな表情なまま横たわる私を見て
『ごめんな』と泣いていた。
旦那さんが謝ることじゃないのに。
私は首を横に振って『大丈夫』と答えた。
隣の部屋が騒がしい。
どうやら赤ちゃんが産まれたようだった。
隣の部屋は明るく私達と違う涙を流しているんだろう。
本当に辛かった。