カズオ・イシグロさんの
ノーベル文学賞受賞作
クララとお日さま/ハヤカワepi文庫
ネタバレにならないよう注意して書きますが
先入観なしに本書を読みたい方は
ここから先は読まないでくださいね
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AF(人工親友)として開発され
ジョジーの家庭に買い取られたクララ
店頭で人間を観察していた時のことや
ジョジーとの出会いや生活などが
クララの淡々とした口調で語られます
語り口は「淡々と」ですが
クララの言葉は思いやりに溢れています
そして誠実さも伝わってきます
いえもしかしたらクララがロボットだから
私が勝手に一本調子な語りをイメージして
読み進めていたのかもしれませんね
たくさんの人間が登場する中で
私がいちばん感情移入してしまったのは
AIロボットのクララでした
「こんな崇高な心の持ち主でありたい」
そう思わされたのもクララでした
著者の作品を読むのは3作目ですが
いつも最後の数ページで泣いてしまいます
映画化が決まっているのですね
ぜひ観に行きたいです