あーーー大好き
有吉佐和子さん作品
閉店時間 / 河出文庫
昭和時代
数々の原作が映画化し話題となった
有吉佐和子さんの小説が本当に好き
生前のお住まいが私の育った家の近くで
(「有吉佐和子」という表札が近所にありました)
身近な町名がよく出てくるところもツボ
著者は時代小説も多く書かれていますが
私は何と言っても
昭和の女性たちの生き様に惹かれます
今回見つけたこの小説も
1962年頃のデパガ3人娘の仕事と恋
こうして現代になって
名作を初文庫化してくれるのは
ファンにとっては本当ーーに有難いです
さてこの「閉店時間」ですが
舞台は新宿大手の東京デパートです
(モデルはあってもおそらく架空)
ベータ係(エレベーターガール)のサユリ
呉服店売場の紀美子 食品売場の節子
この3人の仕事と恋を通しての成長が面白い
当時実際に使われていたのかどうか?
店員たちが使う隠語がまた興味深い
タイシュ…購買客(大主)
ゴンベエ…社員食堂
カンさま…男性
その他いろいろ出てくるのですが
小説の影響を受けやすい私などは今
夫を内心「カンさま」と呼んでいます
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3人娘のうちのひとりが
意中のカンさまと待ち合わせをする場所
それが「新宿コタニ」というレコード店
私も幼稚園教諭だった頃
運動会やお遊戯会前によく行きました
保育関係のレコードも豊富だったのです
レコードからCDに変わった頃も
「レコード買い」と言う仕事で
コタニに行っていました
でも現代はさすがに…
レコードはもちろんCDも少なくなり
コタニは閉店したようです
まさに「閉店時間」ですね
そんな懐かしさも含めて
読み応えのあった1冊でした