シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々
(邦題) ジェレミー・マーサー / 河出文庫
シェイクスピア&カンパニーは
パリのセーヌ川左岸にある
歴史ある有名な書店です
( と言っても恥ずかしながら 私は
この本を読むまで知りませんでしたが…)
1万冊の蔵書を持つ図書室も併設しており
無一文の若い書き手に宿を貸すことでも
知られている書店だそうです
著者のジェレミー・マーサーは
あるトラブルから逃れるために
カナダからパリに来て書店に行き着きます
書店に滞在した数ヶ月の出来事は
まさに事実は小説より奇なり
いえ
「奇なり」を「深し」と言い換えるのが
この本にはぴたりとくるかも知れません
大きなクライマックスがあるような
続きが気になって仕方ないというような
そういった小説とはまた違い
ゆっくり読み進めていくうちに
実在した登場人物たちを身近に感じる
そんな物語でした
終盤になると
「この人たちとももうお別れか」みたいな
寂しさを感じたりしましたが
読み終えてみるとそれは清々しい別れで
本を通して出会えた登場人物たちが
心に優しく残りました
書店の経営者はジョージ80代
(現在は娘さんが引き継いでいます)
すごく癖がありながらも
魅力的なジョージは少年のようです
何歳になっても
夢や理想を持っている人は素敵だし
夢が叶うことを信じて生きていくことは
幸せな人生だと思う
私も夢を持って生きて行こう
そんなことを
あらためて考えた一冊でした