大雨の影響で、お寺まで、

たどり着けるかどうか、

一か八かの賭けのような初盆の旅を、

無事に終えて、帰札したら、

すっかり秋になっていました。


小さな町の小さなお寺で、

初盆の檀家が集まっての御供養。

窓の外は嵐。


プチ・グルメツアーも敢行し、

帰札した日の夕飯と翌日の朝食は、

ゼリーやプリンしか入らない始末。


両親縁の方が話しかけてくださったり、

幼馴染宅へ挨拶に伺ったり、

両親ともに世話になった、

私の同窓生の元へ御礼に伺ったり、

少しずつ、少しずつ、

母の旅立ちを共有することができた。


あれ以来、仏壇と祭壇が静かだ。


やっと、みんなと再会できたのかな。

なんとなく、そんな気がした。


帰札する日は快晴で、

夏の最後の津軽海峡と日本海を堪能できた。

道南の鬱蒼とした森と山と自然、

空と雲と川、すべてが懐かしく素晴らしい。


来年こそ、海で遊ぶと誓った。


お墓参りは我が家のお墓と

母方の代々のお墓をお参りして、

花を供え、蝋燭を灯し、線香を上げた。

お墓参りの日は、母の月命日。


8月が来るたびに、毎年毎年、

母が最後に入院した日を思い出すのだろう。


寂しさは、時間薬で薄れるかもしれないが、

年を重ねるたびに、

母の晩年と自分を重ねて、

重ねた分だけ、

悲しみと後悔は重くなるのだろうと感じた。


自分の身体が衰えたなと思うとき、

晩年の母の不安を思いやれなかったと悔やみ、

節約の仕方が母に似ていると思うとき、

自分が若い頃は小バカにしていたと悔やみ、

そうやって生きていく。


それが辛いかと問われたら、

不思議と辛くはないし、

その悔やんだことを、

しっかりと携えて、

あの世に行こうと腹を括れた分だけ、

ものすごく生きることに前向きだ。


それにしても‥


夜風は冷たく、窓の外では秋の虫が鳴き、

紅葉が始まり出しているではないか。


あっという間に雪が降るぜ。

まったく。