一人遊び | primary colors

一人遊び

寂しい

そんな概念がまだない頃
私は一人じゃなかった
おもちゃの電車は私をいつも遠い街に運んでくれた
人形は私の代わりに大舞台で喝采を浴びてくれた
客席のぬいぐるみは夕方になると大きなお家に帰ってお夕飯の支度をする
たくさんの家族が暖かいスープを囲む幸せなお家

私が手にしてない物
与えられなかった物
欲しかった物
羨ましかった物

それは妄想という形で現実になった
私はいつだってそっちの世界では幸せで安らいだ
私は一人じゃなかった
幸せだった

私はいい子で…
すっごくいい子で今も多分生きてる
あの日妄想の中だけの幸せで成長した私はきっと何かが欠落してる
それに気付くまでは

いつか壊れそうで
いつかなくなりそうで
時限爆弾を持ってるみたいだ

今でもたまにそっちの世界に行く癖は治らない。

一人遊戯

そんな癖は私くらいか