あなたへ | primary colors

あなたへ

人々がジャケットを着てマフラーをまいてゆきかっています
重々しい寒さがもうすぐやってきます
そちらはいかがお過ごしですか

夜になると空にあなたの星が見え
前回お会いした時のことを思い出します

時間がないような気持ちでぼんやり起きている時だけ
あなたのことが近く感じられます
昼間には自分のことだけで全部が遠いのです

何していますか
何かんがえていますか
少しだけ思い出してください

結局名前は聞けなかったけど
もしかしたら名前なんてないのでしょうか
こちらではすべてに名前をつけるのが習慣ですが
もしかしたら名前なんていらないのかもしれません

英知あるあなたのことですから
私がここであなたを思い浮かべていることも感じとっているかもしれません
だとすれば手紙なんて無意味ですね

でもあなたに宛てて送ります
気持ちを封じておきます
もし字が読めなくても開けた時に分かるように