今日は私の目を通したカルガリーのウサギの話。

 

私がカルガリーに来たのは15年近い前。

市内で見られる野生動物の代表格が過去の記事でも紹介したゴーファーと

ジャックラビット(Jack Rabbit)でした。

(写真はWikipediaより)

 

このジャックラビット、目つきも悪いし大きいし、今までの「可愛いうさぎ」のイメージを覆すタイプのウサギでしたが、身近だし、野生動物だし…ということで、日本から誰かが来るとカルガリー大学キャンパスにたむろするウサギを見に行ったものです。

 

家を購入すると前庭が食害に会って、ますますイメージは悪くなっていくわけですが…。

 

去年あたりから別の野生動物がニュースに頻繁に表れるようになりました。コロナ禍のなかで同じく増えた捕食者であるコヨーテが住宅付近に出没するだけでなく、人やペットを襲うようになったというものです。

 

 

コヨーテなどは普段は小さなペットを襲うことはあっても人を襲うことは聞いたことがなかったのですが、これは数が増えて食糧事情が悪くなったという事なのでしょう。今のところは襲いやすい女性や子供が多いようですが、犬の散歩中の男性が足を噛まれたというものもありました。

 

こうした事情もあってなのでしょうか。近所でのウサギの数がずいぶん減った気がします。今年の夏は前庭の花も余り食べられませんでした。

 

しかし今年の秋に久しぶりにダウンタウンに出た私は今までに見たことがないウサギを目にすることになりました。

 

白、白黒、黒、茶色…小型でかわいらしい容貌のウサギたち。とても野生とは思えません。

 

「これは…なに?ダウンタウン、こういうことになってるの?」とダウンタウン在住の友人に聞くと、

「そうなのよ。去年あたりから見かけるようになってね。最近増えてる気がする」

 

カルガリーでの野良ウサギ問題に関するニュースも見かけましたが、やはりペットが捨てられて繁殖しているようです。

 

ウサギは可愛いけれども意外に買いにくく、繁殖期には更に扱いにくくなるので、そっとドアを開けて逃げるに任せるか、公園に捨てに来る人がいる…ということです。

 

そして、ウサギといえば日本のことわざの「ネズミ算」に対応することわざ「ウサギのように繁殖する(Breed like rabbits)」が示すように繁殖力が強いわけで…郊外と違って天敵も少ないでしょうから、ダウンタウン内で更に数が増えたという事なのでしょう。

 

ジャックラビットと違って姿はかわいらしいけれど、福岡に長く住んだ私としては能古島で見た大量のウサギと穴だらけの地面を思い出して、これらの野良ウサギが第2のGopher(堀ネズミ)と化して問題が大きくなる予感がするのです。

 

そのうち郊外にも増えてくるのかなぁ…もとからいるジャックラビットとの折り合いは…。

 

今年の冬は冷え込んでいますが、ダウンタウンは暖かい場所も多そうだし生き残るものも多いでしょう。

 

冬が越せるとなると問題は更に大きくなるか…あるいは食糧難や縄張り争い、捕食者の数も増えることで数が一定数で落ち着くのか…しばらくは気になりそうです。

 

【今日の英語】

Feral(フェラル)はペットなどとして飼われてい動物が逃げたり捨てられたりして野生化した状態。a feral cat で野良猫です。この言い方、今回のウサギ事情を調べていて初めて知りました。野良猫・野良犬という場合、通常はStray Cat / Stray dogという言い方をするので…。 でもStray(ストレイ)だと「迷いネコ・迷い犬」の意味なので今回のウサギのようなものはやはり「Feral Rabbit(野良ウサギ)」という言い方の方が適切なのでしょう。