またもや昔見た映画の話。
 
「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」 



大好きなトミー・リー・ジョーンズの監督作品ということを抜きにしても観たかった映画。 


それにしても上手い。 


脚本も良いし、監督も良い、登場人物一人一人が本当に重い。 


久しぶりに、本当に良い映画を観た、という手ごたえを感じました。 

メルキアデス・エストラーダの生きている時の姿、 


純朴で誠実で寂しさと共に生きている彼の姿。

 
彼が死ぬシーンのリアルさ


殺す側からの視点と、殺される側からの視点で 
2回同じシーンがでるのがいい。 


登場人物全員を主人公として描こうとしているのが 伝わってくる場面である。 


死体をしっかり見せているところもいい。

 
単なる興味本位の書き方ではない。

 
彼(死体)の存在は必要なのだと思う
。 


死後7日目で発見され、すでに腐りだし異臭がしている彼、

ヒメネスへの旅の途中、だんだん腐敗がひどくなっていく様子、

その彼に接するときのピートの心 
(果たして彼は正気なのか狂気の中にいるのか) 


親友との約束を守ろうとするピート 


メルキアデスを殺したマイク 


美しさに心が痛くなるという故郷に埋められたかったメルキアデス 


3人の不思議な旅とその結末のやるせなさが胸を打つ。 


彼らを取り巻く人々を含め、全ての人の命の重さと心の痛みに、じんわりと締め付けられるような感覚。 



観終わってすぐには掴めない、 


でも時間がたってくると、だんだんと彼らみんなの思いが存在感を増してくる。 


本当にお勧めです。 


最後に…ピートはこれからどこに向かっていくのだろう。 

彼の心は今どこにあるのだろう? 




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