久しぶりにVertigo Theatreのミステリー劇を見に行ってきました。
友人夫婦は年間チケットを購入しているのですが、今シーズン最後の今回は最近子どもが生まれたばかりで行くことができないから、と譲ってくれたのです。
今シーズン最後の演目はSherlock Holmes and the American Problem(シャーロックホームズとアメリカの問題、という感じでしょうか?)で、ホームズの話からインスパイアされた演劇用に書かれた話らしい。
25日の金曜日の夜7時半からのスタート。仕事の後で一緒に行くTさんと待ち合わせをし、アイリッシュパブで軽い夕食を済ませた後で、カルガリータワーにある劇場へ。
Tさんも私もVertigo Theatreのミステリーシリーズが大好きで、過去にも何度か一緒に行きました。2人のお気に入りは2階の最後列中央。劇場が全体に見える位置ですが、今回は譲ってもらったチケット。なんと前から5列目中央という舞台にとても近い席でした。
なんだかいつもと違う席で落ち着かないね…。

とドキドキしながら7時半になるのを待ちました。
7時半になり舞台の端からシャーロックホームズ役の人が現れ、一瞬みんなの期待が高まりました…が、彼の口から信じられない言葉が…。
「残念なお知らせがあります。ドクターワトソン役の人が体調不良のため、本日の舞台に立つことができません。そして我々は代役を持たないため、残念ながら本日のショーはキャンセルになりました。払い戻しなり、他の日の券と振りかえるなりしてください」
…

初めての経験でした。
Tさんと信じられない…。と言いつつ、チケット交換ための列に並びました。
実はTさんは3日後から旅行に行くことになっており、振替をしても行けるかどうかわかりません。
「病気ってことは明日のショーはどうなるのかな」
「でも3日後からは居なくなるし…一か八かで明日のショーチケットに交換してもらおう」
この劇場はスタッフが全てボランティアの人なのですが、興味深いのは、誰一人事情をはっきりとは知らされて居ないようなのです。
「明日のショーはあるのでしょうか?ワトソン役の人は病気と聞きましたが…」と聞いても
「事情がよくわからなのでなんとも言えませんが、病気となると明日は代役を見つけてくるか、誰かが裏でセリフだけ読み上げる形になるかもしれません」という事です…。
まあショーさえあるならば、代役やスクリプト(台本)を読み上げるというのも滅多に見られない面白いものが見られるかもね。
と言うわけで、土曜日のマチネ(2時開始)のチケットと交換をお願いしました。
幸い、本日の席から2列だけ下がった席が空いて居て、それを取ることができました。
こう言うことがあった時、誰一人として文句を言ったり怒ったりする人を見かけませんでした。チケット交換も時間がかかり、急ぎではない人は月曜日以降に電話でも対応できると聞いて帰って行き、列には40人くらいが並んで居たでしょうか。
誰もがおしゃべりをしながら大人しく待っていました。
こういうおおらかで緩やかなところが、私がカナダ、そしてカルガリーの事が好きな所以でもあります。
さて、土曜日の舞台はどうなったでしょう。