引き続きの思い出話。このシリーズはタイトルに◆がついています。
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2013年はいろんなことがありました。
正社員として働き始めた年であり、カルガリー市が大雨からの洪水に見舞われた年であり、私が事故(?)にあった年でありました。
洪水は6月20日にスタート。数日続いた雨で川が氾濫。街も雪や寒さには強く作られていますが、年間降水量が500mm以下(日本の瀬戸内は雨が少ないですがそれでも1000 - 1500mmだったかと思います)なので雨に強い作りではありません。堤防もないし、川のすぐそばに家が建っているし(ウォーターフロントは人気で高価)、排水の設備も悪いようです。わずか3-4日くらいの雨で洪水となりました。
こちらはボウ川の北にある丘から友人が撮影。車が半分水に浸かっています。
某オフィスビルより(友人撮影かニュースで見つけた画像かわからなくなってしまいました)。
こちらはニュース映像から。
書き込みは冗談なのか真面目なのか…。橋が流されたのは事実です。
そしてその秋。9月の連休を利用してDGと2人でBC州にバイク旅行に行きました。
BC州の大きな湖がある町(サーモンアーム)に行き、川を上がって来る鮭をみて感動。
わかりますでしょうか?川の中に見える赤い線が鮭です。
滞在したのはサーモンアームの近くの小さなコミュニティ。夏の間は毎週土曜日の夜にナイトマーケットが出てバンドの演奏もあると言うので行ってみました。
ヒッピー・コミュニティっぽい感じのマーケットで、手作りの石鹸やジャム、アクセサリーなどの工芸品が売られていました。バンドも地元の人っぽくて楽しい時を過ごし、翌日はカルガリーに向けて出発した…と思います。
昼前にレベルストーク(カルガリーから4時間くらいのところ)でアイスクリームを食べたのが私の最後の記憶でした。
DG曰く、その後でダム湖に続く道を走っていたそうです。
そしてこれ。
飛び出して来たのはTurkey Vulture(ヒメコンドル)でした。
フルフェイスのヘルメットをかぶっていましたが、中にサングラスバイザーが付いたタイプのもので、頭を強く打った時にバイザーで鼻根(目の間)を切ってしまったようです。顔中が血まみれだったそうです(実際に見たら怖いでしょうね)。
その後の言動がおかしくなり(単調に3つの質問を繰り返すばかりだったそうです)、バイクに乗ってもDGつかまらずに両腕をダラリとさせたままだったそうで、これはおかしいと思ったDGによってレベルストークの病院に連れていかれたそうです。そして、そのまま入院。
翌日の昼近くに目を覚まして、医者から一通り質問されましたが、記憶はアイスクリーム屋さんに行ったところまで。
「昨日の夜に同じ質問をしたけど覚えてる?」と医者に言われましたが、全然覚えていませんでした。
ほぼ24時間分の記憶をなくしていたことになります。
入院中やその後にクリニック行った時に何度か医者から「100から7づつ引き算して数字を言ってみて」と言われて…できませんでした。
100、93…。そこまでです。怖かったです。
その後、脳しんとうとの診断がおりて、2週間の自宅安静となりました。脳を休めるために、部屋を真っ暗にして、何も見ても読んでもダメとの事。DGがとても真面目にそれを実行しようと努力してくれました。しかし何もしない、って辛かったです。
最初の頃は悪夢をみて混乱したり(記憶がなくて怖くて不安で…が基本テーマでした。例えば日本にいるらしいのに言葉が通じなくて自宅の場所も思い出せなくて…といった感じ)しましたが、2週間が過ぎる頃にはそれも無くなりました。
100から7づつ引いていって…ができるようになったのも2週間が過ぎた頃でした。
本当は4週間は休むように勧められましたが、仕事を休む方がストレスになると訴えて、2週間で復帰。続く2週間は半日勤務で、その後完全復帰しました。
復帰後に怖かったのは初日。会社についてエレベーター前で自分のオフィスが何階にあるか思い出せなかったのです。
DGに電話しましたが彼が知るはずもなく…。
5分くらいして受付かセキュリティに聞こうとした時に、ふと思いついた階に行って見ました。
最初は間違い(どうやらインターンの時に居た階だった模様)。2回目で正解でした。
怖かったです。痴呆ってこんな感じなのかな。
そんな2013年でした。