引き続き思い出話です。このシリーズはタイトルに◆がついています。
引き続き時期がずれてます。7月に掲載できたらよかったのですが…。なにせ仕事に追われて気づけば7月が終わっていたと言う悲しい状況だったので。
さて実はこれ、去年の7月にスタンピードが始まったころにも掲載した記事なのですが、思い返してみれば、最初の年はまだまだ観光客的な気分があったからでしょうか…それとも、当時は景気が上がり始めていた時だったからでしょうか、今となっては「カルガリーのダウンタウン周辺はスタンピードの飾りつけなどで雰囲気を盛り上げるけれども、実はそこまでカルガリー全体がスタンピード一色になるほどではない」ということがわかります。
当時は学校もダウンタウンだったし、知り合いといえばクラスメイト(外国人。来たばかりで英語を習っている人たちか短期滞在者)や先生(カルガリーの文化を紹介したいと熱心な人たち)だけ。つまりは自分の世界の中の人がすべてスタンピードの話ばかりをしていたので、スタンピードのキャッチフレーズや広告をそのまま受け入れていた無邪気さがあります。
それが悪いのではなくて…去年も書きましたが、最初のスタンピード、2007年の私は、スタンピードが何たるかも知らなかったこともあって、興味津々。当時通っていたESLの友人たちとパレードに行ったり、スタンピードパークに何度も行ったりと、いま読み返しても「初々しいなぁ」感があってほほえましいです。
それが悪いのではなくて、カルガリーに来たばかりの人たち、観光客、短期滞在の留学生やワーホリの人たちには、同じように無邪気に楽しんでもらいたいと思うのです(羽目は外しすぎないようにお願いします)。
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「カルガリーには季節は2つしかない。冬とスタンピードだ」というのは、カルガリーに来てすぐに耳にしたコメントでした。
そう言われるほどに、カルガリーの夏はスタンピード一色になります。
ちなみに日本で夏と言えば8月のイメージですが、カルガリーでは夏は6月から7月が本場。8月は暑いけれども夏の終わりの予感が色濃くなります。
まずはスタンピードの紹介から。
スタンピードは一言で表すなら「カウボーイの祭典」。
主催者たちは「The Greatest Outdoor Show on Earth (世界最大のアウトドアショー)」と謳っていますが、それくらいに意気込みと思い入れはすごいです。
期間は毎年7月のカナダ・デーの後の金曜日からの10日間(金曜日に始まり翌週日曜日に終わる。今年は7月6日~15日)。
「カルガリー最大の」と書き魔いs田が、同時にカナダ最大の祭りの一つでもあるらしく、また、世界最大のロデオ・ショーが開催されることでも有名なのだそうです。ロデオに出るのは一部は招待(トップクラスの人たちが招待されます)ですが、全員がそうなのかはわかりません。賞金も大きいようですので、世界中からの参加者があるようです。
1912年に始まったといいますら、その歴史は100年近いもの。「1912年のスピリット(精神)を思い出せ!」というようなスローガン(だったのか?)をイブニングショーで見かけたのですが、これは今年だけなのか毎年のテーマなのかは不明。
1912年当初はロデオの世界規模の大会ということでしたが、これに1886年から続いていた展示会が合わさって現在のスタンピードの形になったそうです。
一番の目玉は「ロデオ・ショー」と「チャック・ワゴン(幌馬車)レース」。そして有名人のコンサート、歌とダンスに大道芸やサーカスのような出し物が加わって、最後に花火が打ち上げられるという「グランドスタンドショー(イブニングショー)」があります。
他にも「ミッドウェイ(Midway)」と呼ばれる遊園地のようなエリア、ステージ・ショー(カントリー・ミュージック、その他バンド、手品、ショーバンド(映画「ドラムライン」で有名になったマーチングバンドのことですね)、MBXフリースタイル(自転車の曲芸乗り、というと語弊があるか?)、スーパー・ドッグのショー(犬がいろんなすごい技を披露してくれます)、牧畜関連競技(羊の毛刈り競争、牛の追い込み・誘導の技の競技、シープドック競技、鍛治師競技、乗馬競技)等と見所たくさん。カナダ原住民(インディアン)村と銘打たれたエリアではインディアンの暮らしや工芸品の展示、ダンスなどを見ることが出来ます。
それ以外にも市内のあちらこちらで開催される「無料朝食会(パンケーキ朝食会)」「無料BBQ(昼食会)」も要チェック。
この期間はほとんどの会社はジーンズOKとなるため、ジーンズにカウボーイシャツ姿やカウボーイハットでの勤務もOK。町には俄か(にわか)カウボーイ・カウガールが多数みられるようになります。
警察官のカウボーイハット姿はスタンピード期間ならではとのことらしい。
騎馬警官がカウボーイハットをかぶっているのはカッコよく、観光客の餌食となっていました(写真撮影ショーがあちらこちらで始まっていました)。
さて、祭りは金曜日の朝のパレードで始まります。
学校もこの日は午前中が休みの上、YWCAと共催の無料朝食会があったのでクラスメイトと待ち合わせをしてまずは朝食会へ。
カントリー音楽のバンド演奏を聴きながらゆったりと朝食をとった後は、いざパレード会場へ。
学校のすぐ前がスタート地点だったので、そのあたりで待機しました。
今年はピンクリボン(乳がんの撲滅、検診の早期受診を啓蒙・推進するために行われる世界規模のキャンペーン、もしくはそのシンボル)をサポートする意図もあり「ピンクを身につける」というのが合言葉になっているために配られる紙製カウボーイハットもピンク。
ジーンズ・メーカーのラングラー(WRANGLER)社は「Are you Tough enough to wear pink?(君はピンクを身につけられるほどタフか?)」をテーマに男性用のピンクのシャツなどを販売していました。
聞くところによると、カナダでは(カナダだけじゃないかな?)男性がピンクを身に着けるとゲイだと思われるので、着るのには勇気が必要、だけど本当にタフならばピンクを着たって誰にも何も言わせない、ということだそうです。
木曜日(前夜祭)の夕方4時のテープカットから金曜日に掛けての30時間は「30 hours of Though(タフな30時間)」と銘打ってピンクリボンをサポートするための期間。
木曜日の入場料は全てピンクリボンに寄付され、期間内にはピンク色のものを身に着けて(特にピンクリボンをサポートする商品を身につけるほうがいい。購入金額は寄付にまわされるから)ピンクリボンを応援しよう!と、町中がスタンピードと乳癌撲滅キャンペーンに沸いていました。
日本だったらココまで盛り上がっただろうか?というくらいに、町中にピンクが溢れていた。
ロデオやカントリーシンガーなどのスターたちがピンクを着て応援したのも影響したのでしょうか。パレードの最初にピンクのカウボーイハットをかぶったピックアップトラックまでもが登場。なかなか似合っていると思うのだけど如何でしょう?
馬や農場関連、そして伝統的なものや多文化が大好きな私はパレードの間中(2時間半くらい)デジタルカメラを構えっぱなし。
馬が来るとシャッターを切り(後に馬糞が転々と…)、羊を見かけるともう一枚(追い立てるシープドッグが凛々しい)、馬車が来れば更に一枚、王室カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police;略称RCMP;通称マウンティーMountie)がくれば大喜びの大騒ぎ。
スコティッシュの一団、ファースト・ネイション(先住民)、カナダ軍の大行進(戦車が回旋するとアスファルトにはキャタピラーの跡がくっきり!)。興味は尽きない。
これから10日間、どんなイベントなのかを見て体験するのが楽しみで仕方がない。