引き続き思い出話です。このシリーズはタイトルに◆がついています。

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前回、◆レイク・ルイーズへキャンプ①レイク・ルイーズへキャンプ②の続きです。

 

3日目のカナダ・デーは快晴。

 

前日に断念したヨーホー国立公園にハイキングへ行くことに。

 

マージは前日の湖ウォーキングで足が痛くなったので不参加だそうです。3時間程度のハイキングなので駐車場の近くの川のそばでのんびりと読書をしながら待つとのこと。

 

ハイキングコースの入り口でイヌクシュク(inukshuk:先住民族イヌイットの人たちがつくるオブジェ。石や岩を人間が両腕を伸ばした形のように積み重ねる。バンクーバーオリンピックのシンボル)に似た石組みを発見。

 

日本でも川原で石を積み上げているのを見かけますが(賽の河原風)、カナダではイヌクシュク型が主流です。

文化と歴史の違いでしょうか?

 

こちらはなかなかの出来だったので写真に収めてみました。背景も石なので見難いかな。

 

ここまで「地リス」か「リス」くらいしか見られないままでしたが、ハイキングコースの心臓破りの坂(勝手に命名)の途中でマーモットを発見。

 

ジリスを大型にして太らせた感じ。

のんびり屋さんで、天気が良い日は石の上で日向ぼっこをして過ごすのが常らしい。

 

この日も石の上でのっそりと日向ぼっこ中でした。

 

カメラを構えようが、道行く人々が「かわいー」など言いながら集まろうが意に介さず悠々としていました。大物。

 

この辺りは熊が出るため「4人以上で歩くことが望ましい」という掲示板がありました。我々は3人だということもあり、ハイキング初心者(熊初心者)の私はドキドキしながら、特に注意しながら進みました。

 

注意というのは…「できるだけにぎやかに、おしゃべりしながら歩く」「曲がり角の前など、先が見えないところに差し掛かったら拍手などで音を立てる」といったシンプルなもの。

 

要は熊と人間との不幸な鉢合わせ(熊にとって不意打ちが一番恐怖)を避けるために「ここに人間がいるぞー」ということを熊に知らせてあげる行為なのです。

 

曲がり角に来るたびに交代で拍手。熊は近くにいたのか?…たぶん居なかったと思う。

 

目的地のLaughing falls(ラーフィング・フォール:笑い滝)に到着。

 

ユミコは少し疲れ気味。私は少し空腹気味。記念撮影後に滝の近くの川原に座ってマージ手製のクッキーとジャッキー手製のブラウニーを食べながら一休み。運動後の甘いものって美味しい。

 

マージが待っているので、ここでUターンして駐車場に向かいました。

 

帰り道は早い。行きにかかった時間の2/3くらいで心臓破りの坂に到着。

 

「ここで行きにマーモットを見たんだよね。さすがにもう居ないよね」などと言いながら、マーモットが居た辺りの岩に目をやる。…居た。

 

やはりキャムが説明した通りの「のんびり屋」なのでした。

 

写真を撮りながら、通りかかった登山者にも教える。皆が喜んで写真を撮る。

 

と、そこへ女子高生の一派。今まで誰が近寄っても意に介さず、滝への往復後にも同じ場所から動いていなかった彼が、女子高生集団の最初の一人が「キャーッ!かわいーい!」と叫んだ途端に岩の下に逃げ隠れた。恐るべし、女子高生パワー。

 

予定していた時間に駐車場に帰還。

 

川の近くのピクニックテーブルにパン、野菜、チップスなどを広げて昼食をとりました。

 

時折、グレイ・ジェイに似た野鳥がランチのおこぼれにあずかろうと寄ってきました。

 

道中、不思議な集団が我々を追い越していきました。

 

カナダ国家の「O, Canada」を歌いながら、滝へ向かう水着姿の若者たち(男女)の集団。今日はカナダ・デー(Canada Day: 建国記念日)ということもあり、道行く人が応援の言葉をかけている。

 

滝に近づくにつれ、風が強くなりました。滝が風を作り出しているのですが、これが冷たい!

 

上着を着てくればよかったと後悔しつつ、滝の魅力には逆らえずに更に前進。

 

「滝に上がっていく人たちがいる!」との声に目を凝らすと…滝の水流の横、崖を上っていく若者集団。

 

さっきの若者たちでした。カナダ・デーに「O, Canada」を歌い、カナダ最大の落差を誇る滝を登る…粋じゃないですか。素晴らしい。

 

ここで、タカカウ滝(Takakkw Falls)についての説明。

 

先に書いたとおり、Takakaw とは先住民族のクリー族の言葉で「素晴らしい」という意味。

 

ヨーホー国立公園内にあるこの滝は高さ400m、カナダ最大の落差を誇る滝です。

 

「あれ?ナイアガラは?」と思ったあなた!

なんと、この滝はナイアガラよりも落差が大きいらしいのです。

 

まさに名のとおり「素晴らしい」。国立公園の名前「ヨーホー」はクリー族の言葉で「驚きや畏怖」を表す言葉。近くで見ると圧倒されること間違いなし。私もしばらく心奪われつつも…写真撮影は忘れず。ズームが3倍くらいしかないため、写真の左の方の崖をあがる若者がほとんど見えないのが残念。まぁこの写真で言えば芥子粒が人間サイズ。滝の大きさがイメージできるのではないでしょうか。

 

ひとしきり感動しつつ写真を撮り、寒さに震え始めた頃に退却。

 

次の目的地である「natural bridge(ナチュラル・ブリッジ)」へ向かいます。

 

途中で雪が残っている場所に遭遇。雪につられて車から降りた私とユミコにキャムが雪玉をぶつけてくる。私はカメラを持ってヨロヨロしている(雪上歩行は苦手)。ユミコは果敢にも反撃。がんばれ、ユミコ!その様子をマージはビデオ撮影。…長閑(のどか)。

 

ナチュラル・ブリッジはその名の通り、自然に出来た橋のような形の岩。

 

もとは滝で、水はこの岩の上を流れていたそうな。それが、水が岩の割れ目から染み出すように出始め、穴が次第に広がり…穴が大きくなったところで、滝は岩のトンネルを抜けるようになったのだそうです。

 

将来的には水の勢いで穴が更に広がり、いずれはナチュラル・ブリッジは崩壊するだろうとのこと。

 

その時点で、小さな滝に戻るか、幅広の川になるか…と、専門家は予想しているようです。

 

この地の過去・現在・未来の図が看板に描かれて紹介されていました。おもしろかったです。

 

写真ではかなり小さいですが、橋の上(岩の裂け目よりやや左より)の小さな存在はナチュラル・ブリッジを上から撮影しようとしているカメラマン。

この橋(?)の大きさが理解できるのではないでしょうか。

 

本日最終目的地は、スパイラルトンネル。

 

これは、アルバータ州とブリティッシュコロンビア州の境にある峠、キッキング・ホース・パスを超えるためにカナダパシフィック鉄道(Canadian Pacific Railway)によって作られたもの。

 

ここは最大の難所でもあり、急な坂道で列車が止まることができずに大きな事故につながったこともあるとか。

 

それで、峠を大きな8の字を描くように進む線路が作られた次第。長大編成の貨物列車では、先頭の機関車がループトンネルを一周して上の線路に出ても、まだ下の線路に貨車が続いているそうで、それをみるための観光地化されています。

 

私たちが言ったときも、運がよくて長い列車が通っていました。写真も撮ったのですが、森が深くて写真ではみづらいため、説明用パネルを撮影したものをのせておきます。

 

4日目は最終日。この日はバンフの町を1時間ほど観光して岐路につきました。

 

カナダ・ディのイベントの一環だったのか…バンフ駅にてSLを発見!

 

カナダ・デーにバンフ駅、明日はレイク・ルイーズ駅でデモンストレーション運転を行っているとの事。

 

カナダでSLを見るとは思っていなかったので驚きました。

 

旅の最後の嬉しいおまけになりました。

 

記事には載せませんでしたが他にはエメラルド・レイクにもいきました。

 

 

そしてヨーホー川(白)とキッキングホース川(緑)が出会う場所。

 

 

こちらはポイント・レース・フォール。