Happy Canada Day!

というわけで、本日7月1日はカナダデーであります。
今年は建国149年。各地でいろんなイベントがあることでしょう。

思えばカナダに来て9年目。来年はカナダ建国150年と私の渡加10年の、個人的にも国的にも節目の年になるんだなぁ、と今年を飛び越して来年に思いを馳せる。鬼に笑われますね。

振り返ってカナダに来て2回目のカナダデーに書いた日記を発見したので、今日はそれを転記。来たばかりの2007年はカナダデーに山にハイキングに行っていたので、2008年が初めてのイベント。まだまだ来たばかりの新鮮な感動と驚きがありました。なつかしい。

今年は私のカナダ人として初めてのカナダデー。数年ぶりにダウンタウンに出てイベントをのぞいてみようかな。

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本日7月1日はCanada Day。会社は6月30日が休日となったために4連休である。

去年はキャンプで山のほうにいっていたため(その上,人ごみを避けてハイキングをしていたため)Canada Day を満喫しなかったが,今年こそはと「やる気」になっていた私。 起きてすぐにテレビをつけた。 

テレビではオタワでのセレモニーの様子が放映されていた。カナダ総督のミカエル・ジャン (Michaëlle Jean) のことは,恥ずかしながら先日知ったばかり。テレビで見る彼女は総督というよりは女優のようにも見える。柔和な笑顔と人を気遣う態度。スピーチにもそれがよく現れており,好感を持った。

移民としての経験とカナダへの移民を支援する組織で働いた経験からだろうか,スピーチの中でもカナダのよさである,人種・言語・文化の多様性にも触れていたが初めて「国のえらい人」のスピーチを真面目に聞いて驚いたのが使用言語。首相のスティーブン・ジョセフ・ハーパー(Stephen Joseph Harper)も,他のスピーカー(政府系)たちも,英語とフランス語の両方を使ってスピーチをする。

さて,2つの言語を使ってのスピーチというとどんなものを想像するだろうか。まずは英語で,次に同じ内容のものをフランス語で。バイリンガルの国ということで,そういった想像をしていた。でも違ったのである。 なんと1つのスピーチの中で,センテンスごとに英語を使ったりフランス語を使ったり。まるで2つの言語を違いのない1つの言語であるかのように演説は続くのである。私は英語圏のアルバータ州にいるので(たぶんそのせいだと思うのだが)彼らのスピーチのうち,フランス語部分にだけ英語の同時通訳が入っていた。これがケベック州だと英語部分にフランス語の同時通訳が入るのではないかと想像する。いやはや,カルチャーショックであった。セレモニーの司会者も,時に英語で,時にフランス語で。各州やテリトリーを紹介するナレーションも,時に英語で,時にフランス語で。この2人に関してはフランス語の部分が英訳される事がなかったのでフランス語の部分は当然ながら理解できなかったのであるが…センテンスが1つ2つ抜けたって,全体の流れはつかめるのである。このやり方で両方の言語を第一言語として話す国民がみんな一緒に楽しめるようになっているのかもしれない。 

オタワのセレモニーの様子をテレビでひととおりみて,午後からは街へ繰り出した。事前情報ではCity Hall(市役所)前にあるOlympic Plazaとダウンタウンの北にあるPrince's Island Park の両方でイベントがあるとのことだったがOlympic Plazaではテントとステージはあるものの,特に何かがあるわけではなかった。

夜22時半過ぎから花火大会があるらしいので,その前くらいから何かするのかもしれない。Prince's Island Park は私のお気に入りの場所。夏の天気の良い日い週末には人が多いが,ここまでの人ごみは初体験であった。カルガリーのどこにこんなに人がいたのかと思うほどの人ごみ。橋を渡るときなど,ときどき流れが止まってしまうほど。ここ数日は30℃を越える真夏の陽気だったが,この日には曇り時々小雨。気温も21℃くらいまでしか上がらなかったので,外に出るにはちょうど良い。小雨が降ったときも傘を差しているのは数人(のアジア人)で,基本的に誰も雨を気にしない(噂によるとスーツ姿の会社人は傘を使うそうな。やはりクリーニング代が高いからか?)。

カナダ国旗のついた服を着る人,小さな国旗を服や髪にさす人,カナダ国旗のペインティングを顔や体にしている人。そして全体的に赤色人口(赤色を身につけている人)が多かった気がする。大道芸人,ステージでの歌,空手や韓国武道のパフォーマンス,色々な国の食べ物を売る露天商。そしてスタンピード名物(と信じていた)ミニドーナツまで発見(去年は1袋$3だったのに$5になっていた。物価高はここまできていた)。

しかし,言葉のせいなのか,国民性なのか,建国を祝う人々の明るさに驚き好感を持った。

Happy Canada Day!
Happy Birthday Canada!
カナダに生まれてよかった!
カナダ人であることが嬉しい!
カナダに移民して来てよかった。
カナダのこの多様性を誇りに思う。

こんな風に明るく交わされる言葉。

誰かが O Canada - National Anthem  (国歌)を歌い出せば皆が唱和し拍手や歓声があがる。

国歌も色んな風にアレンジされる。そういえばアメリカやイギリス,カナダの国歌をアレンジしたものが映画やドラマで普通に使われているような…。大らかに自由な心で国を愛し,表現するカナダにうらやましさを感じた。

今日のセレモニー(政府主催)はポップス,クラシック,カントリーミュージック,ダンスおしゃべりや歴史を振り返る感動のスピーチの中で音楽により盛り上げられる胸が熱くなるものだった。夜には花火大会,そして歌,踊りなど楽しみが満載であった。

夏の明るい日差しの下,芝生の上に集った,「夏の初めの休日」の光景。

愛国心(愛郷心)は大事だと思う。愛国心と国粋主義,軍国主義は決して同じではないと思う。自国(ふるさと)を愛し,そして他の国や文化,違いをみとめる国がカナダで私たちが描く理想なのだろう。というわけでHappy Birthday Canada!