島田荘司 『斜め屋敷の犯罪』
北海道の最北端、宗谷岬の高台に斜めに傾いて建つ西洋館。
「流氷館」と名づけられたこの奇妙な館で、主人の浜本幸三郎がクリスマス・パーティーを開いた夜、
奇怪な密室殺人が起きる。
招かれた人々の狂乱する中で、またもや次の惨劇が・・・・・・。
恐怖の連続密室殺人の謎に挑戦する名探偵・御手洗潔。本格推理名作。
こちらの作品は、以前も書いたかと思いますが
読書ブログを書いてらっしゃる方が紹介されていて知りました
「斜め屋敷」の名の通り、斜めに傾いたお屋敷を舞台に
招待客のお抱え運転手が犠牲者となります。
すぐに警察官が駆けつけますが、
どうやったのか、また動機も分かりません。
警察官4人が泊まり込むことになりますが
そんな中で、またしても殺人が起こってしまいます。
終盤まで、警察も何も解けないし、読んでいる私からしても謎のままでしたが
最後には驚くべきトリックが明らかになります
島田さんの作品はこれが初めてで
かたそうなイメージがあったのですが裏腹に、軽快な印象でした
それでいて、時代背景や人物も古風な印象はあったので
ミステリー、名探偵ものの王道の雰囲気を感じました
また、考え抜かれたトリックは大掛かりで
全然予想できませんでしたし
犯人の動機も全く分かりませんでした
トリックの面では「名探偵コナン」を連想してしまいました
しかし、ミステリーの中でも最近は館系ばかり読んでいますが
建物が変わっているものってやっぱり面白いですね
今回の斜め屋敷なんて、建物が傾いているのもさることながら
内部もかなり複雑で、図面を10回は見返しました
綾辻さんもそうですが、作家さんとは、よくこんなトリックを考えられるものだと
改めて思わせてくれるような作品でした