絶対怒られる!!そう思った瞬間
「進路とか、全然関係ない話なんだけど…」
ん?
H先生は、さっきまでの渋い顔から少し苦笑いのような表情に変わった。
「俺が担任になっちゃって、ごめんな」
「へ?」
怒られると思ってた私は、つい間抜けな声を出してしまった。
「…○○先生が、**のことすごく気にされててね」
おっちゃんが私のことを気にしている??
どうしてH先生がそんなこと知ってるの???
H先生の言葉を聞き、動揺が隠せない。
でも、とりあえずフォローしなくちゃ…
「い、いや、私はH先生が担任でよかったと思ってますよ。
それに、○○先生は私が成績悪いの知ってるから、それを心配してるだけですよ!卒業できるかな??って(笑)」
私が笑いながら(多分表情は引きつっていたと思う)そう言うと、H先生もつられて笑っていた。
「これは話すべきことじゃないのかもしれないけど…**のために話す」
私のため??
H先生は、私に言い聞かせるように話し始めた。
H先生の話…
クラス担任を決める学年会議があった日のこと。
生徒のクラス割り振りは既に決まっていて
あとは担任が誰になるかということを決めるだけだった。
2組は、素行不良の生徒や極度の成績不振の生徒が誰もいなくて
先生たちからしてみれば「楽なクラス」に見られていたらしい。
文系の先生多くが、2組の担任を希望したということだった。
その中に、おっちゃんもいた。
でも、希望する先生が多かったため、公平なあみだクジで決めることになり…
H先生が3年2組の担任になることが決まった。
会議が終わってから、H先生はおっちゃんに呼び止められた。
『2組の**paruoのこと、どうかよろしくお願いします』
といって頭を下げたそうだ。
そして、始業式の日(私が告白した日)の会議が終わった後にも、
私のことを頼むと言ってH先生に再び頭を下げたという。
という内容だった。
「**のことを見てあげられないことを、すごく気にされてるみたいだよ」
と最後にH先生が言った。
H先生は一切このことには触れなかったが、
私がおっちゃんに好意を抱いていることを知っててこの話をしたんだろうな、と思った。
H先生はすごい生真面目で嘘をつくタイプではないと知っていたから、話を聞かされて驚いた。
おっちゃんが心配していてくれた…
しかも、告白する前から…
このことを知り、胸が熱くなるのがわかった。
おっちゃんが「担任になりたかったけどなれなかった」という話をした時、私は絶対嘘だと思っていた。
私が告白したから、そういう風に言っただけだと思ったから。
でも、嘘じゃなかった…
私、おっちゃんにひどいこと言ったな…
「何か悩みとかあったら、俺だってもちろん聞くし、○○先生に相談してもいいんだからな?」
私に気を遣った、H先生の優しい言葉。
でも、どうしてもH先生は本音じゃなく、教師としてのタテマエで言ってるようにしか思えなかった。
担任で、担当教科も同じなのに、おっちゃんばかりに質問したり相談したりしてる私の姿を見たら
H先生だっておもしろくないと思うだろうし…
私はH先生にいい返してしまった。