ご訪問、ありがとうございます
今日は、天使の指定席に入る前にお知らせがあります
お知らせ![]()
今月21日は直樹と琴子の結婚記念日です![]()
それに合わせて、あまあま
ラブラブ
なShort Storyを数本考えています
来週、いつ頃からかはまだ決めていないのですが、天使の指定席とShort Storyとを交互に更新させていただきたいと思っています![]()
また、直前にお知らせさせていただきますので、よろしくお願いいたします
それでは、天使の指定席 Vol.6です![]()
「感謝しろよ 真面目な僕に」
ノブヒロは、無表情にそう言った
真面目?
真面目だったら、1回目のチャイムで出て来るわよ
真面目だったら、時間までにちゃんと支度を終えてるわよ
…って
そう言えたら、どんなにすっきりするんだろう…
そう思いながら、エレベータの前に立っているノブヒロの方へ視線を向ける
濃紺のデニムのパンツに、白のトレンチコート
何気ない、シンプルな格好なのに、ノブヒロのスタイルの良さを十分際立たせている
そして髪は、昨日と同じ
色素の薄い髪の毛は、後ろで無造作に束ねられていた
その髪にふわっと空気が含まれ、肩口に落ちていた髪がハラっと揺れたかと思うと、エレベーターの扉がゆっくりと開いた
何も言わずにエレベータに乗り込むノブヒロ
ノブヒロに続くわたし
扉が閉まり、狭い空間の中、2人っきりになる
1階のボタンを押すと、エレベーターは一気に降下し始める
ノブヒロは、エレベーターに乗る前から一言もしゃべらない
わたしは私で、あのノブヒロと一緒に、しかもこんな密室で2人っきりでいるなんて、と思うと緊張して、とても何かを話しかけるなんてできなかった
小さい背に、童顔、極めつけに眼鏡までかけた自分の容姿に自信のなかった私は、恋愛にはいつも奥手で、プライベートでは、弟以外の男の人と話す機会なんてほとんどなかった
別にノブヒロのファンだったわけじゃない
ただ、弟以外の男の人、しかも相手はモデルなわけで、今までのわたしだったら絶対に関わるはずもなかった人
そんな人と、この密室で2人っきり
緊張しない方がおかしいよぉ―と心の中で言ってみる
来る時は短く感じたエレベーター内での時間
なのに、今は、この何とも言えない空気のせいで、とてつもなく長く感る
緊張で正面を向けずにいると、ノブヒロの動く気配がした
その気配に後ろを振り返ると、ノブヒロはわたしのすぐ背後に立っていた
「っ?!」
振り返った私をサングラス越しに見たノブヒロは、わたしの頭上あたりの壁に片手をつけ、そこに体重をかけた
な?
何?
なんで?
サングラスにあいている方の手をかけ、それをゆっくりと外すと…色素の薄い瞳が真剣な眼差しでわたしのそれを見ていた
ノブヒロの顔が、少しずつ近づいてくる
わたしの顔にノブヒロの規則正しく吐かれる息がかかる…そして
何なの?
ノブヒロの唇がゆっくりと動く
「…期待した?」
そう言うと、口端を吊り上げ、鼻先で笑った
ノブヒロの体が、私から離れる
同時に、扉が開き、ノブヒロはエレベーターを後にした
後に残されたわたしは、緊張から解かれ、一気に体から力が抜け、その場にヘナヘナと座り込んだ
つづく…
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