「お前、妊娠してないか」
「えっ…」
いっ入江君
「にっ妊娠って… わたし、ただの風邪だよぉ 変なこと言っちゃいやだよ 入江君っ」
そうだよ
ただの風邪なんだからっ
だってね
だってね みんな…お義父さんもお義母さんもお父さんも裕樹くんも…みんな、みんな風邪だったんだよ?
それにね
「一晩寝たら、ホントにすっきり元気だしっ 見て!」
この通りよ
戸惑いながら、得意げに笑ってみる
「みんなインフルエンザだったんだぞ」
入江君が、ベットに深く腰をかける
振り返りながら、わたしの顔を覗き込む
「一晩では すっきりはしないだろ」
入江君?
「明日、病院、行くぞ」
妊娠?
入江君、ホント?
わたしのおなかの中に、入江君とわたしの赤ちゃんが…?
「きゃーっ! お兄ちゃん本当なのね!? 本当に琴子ちゃん、妊娠してるのねぇ~~!?」
驚きのあまり腰を抜かしていたお義母さんが、すごい形相で入江君に詰め寄った
「はっ!ビデオよぉ~! こんな素晴らしい瞬間をビデオに・・・」
そう言って部屋を出て行ったお義母さんを、お義父さんが追いかける
「こっこれ ママ、落ち着かないか」
ねえ
本当なの?
本当にいるの?
わたしと入江君の赤ちゃん
つづく