前回の選挙のとき、某党派の候補が最低賃金1500円なんて公約に掲げていた。一見美味しい話題だが、いくら馬鹿な私でもそれに跳びつくには疑問だった。
時給をそれだけ上げる? ならばそれだけ働けない人間なんて雇用は無理? それとも給料に見合うだけ仕事が厳しくなる? という初心者クラスの疑問は問題ない。
お金なんて紙切れ。日銀がじゃんじゃん貨幣の発行高を増やせば簡単にその時給くらい解決するのだから。
しかし、それでは差し引き物価が上がるだろう。インフレになるから当然だ。
働ける人なら相対的に1割2割はお得かもしれないが、いま少子高齢化で働けない年金暮らしの世帯とか子供抱えるシングル層とか学生とかに厳しすぎる経済状況となるはずだ。
しかも最悪、日本円が信用を失って紙屑となる。
日本は開闢以来のはるか過去からどれだけインフレしたか……調べたら、バブル崩壊以降のデフレなんて比ではない。
ゆえに日本円は信用されている資金だ。が、戦後ドイツの天文学的インフレが経済の恐ろしさを物語る。
安心して円を頼るには、前記のような無謀な金融政策は不可能だろう。
政府の掲げるデフレ脱却。この路線はどうなるか。単にインフレにするのなら、(繰り返すが)貨幣の発行高を上げれば済む話だ。
しかしなんら市場介入ないまま資金が日銀から各銀行へ出回ればどうなるか……
ここで金利が過去は問題視されたが。政府はなんとマイナス金利政策すら打ち出した。
ならば金利高騰が防げる。
いま1000兆円以上ある国債が金利上昇を受け、赤字国債が雪だるまになって自爆(国家転覆)する危険はかなり減った。これは大きい。
まあ投資目的で国債を買って転がしていた資産家だけは赤字となるかもしれないが。
過去のバブルは円高だから維持できていたのだ。単に流通するお金が増えるだけでは円安となり、おまけに物価は上がりかねない。下手うつととたんにスタグフレーションに陥る。
ならば庶民に負担大きいだけだ。しかも不当廉売(ダンピング)として外国から嫌われる。こんなことハインライン『夏への扉』で70年には予想されていた。
なんとか調整さえ効き円相場を維持できれば、お金を使えば使うほど多くなってみんなの手に返ってくる夢のバブル再来だ。
しかし枯渇資源、エネルギー危機、汚染され破壊される自然環境によりむやみに資源と資金を消費できる体制下にはない。
だからどうしても外交問題となりミリタリーバランスが持ち上がってくる。
といってもいまの時代、どこの国民だって誰も戦争なんてしたくないだろう。
この緊張関係は戦争の抑止にのみ役立つし、アジアは戦力的に拮抗している。大国によるほんとうの脅威の前には、小国同士ケンカしてみせる振りをするのも戦争の抑止に一興だ。
そして金融緩和政策が上手く進み、経済が好転するまさにチャンスがいまこれからかも。
しかし……円安に加えてTPPまで発動したら。インフレのもとで使われる資金は、どこへ流れて落ち着くだろう……『お金は多く集まりたい』という特徴をしているのは有名な事実だ。世界を牛耳るイルミナティ?
うわさがほんとうなら、そいつらは戦争すると儲かるのだよな。しかし私はオカルトとしか思わない。真実はどこだろう。