(2016/12/8 初記)

 

 スクワレルタイガー! どこが『救われる』ものか。この恐ろしい魔物に襲われて、救われずにすべてを失ったこの地の国民は累計するとどれだけの数に上ったろうか? 最初に聞きなれないこの魔物が現れてから、いまやとっくにふた昔は過ぎたのだが。

 その昔はこの国にこんな悲劇はなく、寿命まで安心して一生暮らせると過去の世代のひとたちは信じていたのだ! このことは、困難な時代に戦ういまの若者世代には信じられないだろう。

 現代は国際的な転換期にあり、政治改革による経済水準によって、この魔物はもしかしたらいなくなるだろうか? 否。どこも民衆はこの魔物に襲われないかと内心恐怖に駆られている。

 そしてスクワレルタイガーに襲われた多くは、たとえ生き残ってもタイガーホースに見舞われるものも多々だ。悲劇は拡大再生産されてきた。タイガーホースに陥れば、死の危険は常について回る。なんと恐ろしい魔物たちだろう。

 しかしこれらが現代の現実であることは、貴方もよくご存じだろう。目をそらしてもこれは解決しない。ゆゆしいが、立ち向かわねばならない魔物である。