いまどき漫画連載が始まったらしい、そしていずれ再アニメ化されるとかの古典的超大作。というかいまさら私は情報が遅いな。
原作小説版の『銀河英雄伝説』は高校時代読んだ時、1、2巻はそのスピーディーな展開に惹きこまれたが、3巻以降はなにか冗長になってしまったような印象を受けた。戦闘シーンより、会議やキャラの会話に背景描写などが多くて。特に6、7巻と9巻はこれが顕著(私見では)で、ほとんど当時は読み飛ばしていた。
いまになって読み直すと、実に心理劇となっていてウイットに富んだ形容の数々に、脱帽どころか平伏ものである。良く出回る既存のことわざなんかを引用するより、文章が新鮮で美しく、ユーモラスだ。悲劇を喜劇と言い換えるのはこの作品テーマをむしろ戦争の悲惨さ、特権階級や権力者の横暴につけて見事である。
1巻で物語最大の戦闘シーン、2巻で最大の転機があるので、あとは原作者さま連載決まってから存分に肉付けしたのだろう。いわばキャラ萌と言ってしまえばそれまでだが。5巻、8巻(最初から通して読んだ方なら特に、この8巻は号泣もの)も山場だし、ここまで読んだ方ならむろん最後の10巻も見逃せない。
以下は私の過去作。自作銀河英雄伝説二次創作