孫子にも戦争論にも明記してあるが、戦争とは金がかかる。
 いつまでも日本が経済世界一だなんてバブルのころの思い上がりをなぜずっとひきずるのか。そして近隣諸国を見下すのか。
 現代日本は六分の一の子供が三食まともに食べられない、先進国では異例の格差社会貧乏国なのだ!
 
 この事実を見捨てる人が多いのには呆れる。食べるだけなら飽食とされていた時代はとっくに去ったのだ。
 事実はバブル崩壊後、デフレ景気であれ食料はさほど値下がりしなかったし、いまやインフレにも戻れないのに、物価が上がっても収入は減るという最悪のスタグフレーション景気に(しかも全世界的に)なりつつある!
 こんな現状なのに、戦争なんかしている場合か。どうも戦後世代は日教組学校教育で朝鮮特需とか(国内だけで交戦国の事実無視!)、開戦前より経済成長したアメリカ(戦争で皮肉にも全土が団結したから)などをかじり聞いて、「戦争とは儲かる」と信じている人間が多いらしい。
 なんて平和ボケだ。銃を手にする前に、そろばんを手にせよ!
 
 最新鋭戦闘機一機は百億円もする事実を何故見落とすのか。これが全面戦争となると千機は軽く必要だろうから、戦闘機だけで十兆円掛かるのだ。
 これは国家予算と比較し、現実可能な金額と思うか!? 戦闘機だけで戦争はできない、現実の国防費はその数十倍から数百倍するだろうに。
 それだけの資金力があれば、民間に回せば現代の経済問題なんか一気に回復するはず。「金持ち喧嘩せず」である。
 
 さて、戦闘機に比べると、核ミサイルははるかに廉価に作れるだろう。ひとつ十分の一程度にして、破壊力は千倍以上かな。だから核の保有を認めない日本が、核を持つ国と経済的に対等に戦争できるはずはない。
 かといって核兵器なんか身の破滅である。福島原発メルトダウンで思い知ったのではないか? 広島長崎の犠牲すら教訓にしないのか。それをケタ違いに超える惨劇となるのに。
 
 破壊は容易く、創造は難しいのは世の摂理。繰り返すが『矛盾』という語は、矛が盾を砕いて終わることが明白となった。
 これは戦争論の時代には明白である。築城術は採算が合わず、安価につくれる塹壕掘って土嚢積んでの膠着した陸上戦となり、それを戦車が駆逐し、次いで戦闘機が駆逐した。
 常に矛が盾に勝っているのは明白である。
 
 地雷は百円未満で作れるのに撤去には一万円はするし、単にたたき合いで一発一千万円する爆弾大量にばらまいて、数十万円で買える兵器を吹き飛ばしている現代戦の実情では、とても戦争なんか起こすべきではない。
 
 とにかく戦争なんか政府の起こすおままごとである。付き合うだけ迷惑のとんだ欺瞞だ。
 私は右翼でも左翼でもない。かといって中庸路線に疑問がないわけでもない。どんなスタンスの人も、公正な視線でこの悲劇と英雄譚気取ったお笑いの茶番を受け止めてほしい。
 
 繰り返す。「銃よりそろばん」である。