これは実話(として聴いたもの)です。

  
 私のいた某塾講師の大学生時代。
 いまとは違い、飲酒運転の規制もゆるかった。
 
 大学生たちはへべれけに酔い、夜中酒飲みながら北海道旅行していた。
 北海道はとても広く交通量少ないので有名だろう。
 
 
 その時講師は後部座席にいたらしいが。友人の運転手が。
 
「俺はあの交差点に車がいないことに賭ける!」
 そう言い放って、赤信号にアクセル全開した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ……結果は大惨事。横から来た罪のない青信号走行車両に激突した。
 
 しかも乗っていた人を殺傷し、おまけに被害者は会社社長だった。
 (エアバックなんてない時代だし、側面からぶつけられたらこうなる)
 
 
 裁判に掛けられ、運転手への判決は……ひと月十万円を三十年間払うこと。
 これでも未成年者への温情判決である。3600万円とは会社社長の命とはとても比較にならないから。

 無論、そんな事件起こした学生は退学だしまともな職業に就けるはずはない。
 かれがその後どうなったかは不明である。
 
 
 まあおそらく生徒のための作り話ですが、こんな事故が起こらないことを祈って。