貴方にお逢いできたことをうれしく思います。私はイミナ……真理を追うもの。今日は世にあふれる文化をテーマにします。
世のメディア文化の消費は、少子化したとはいえ子供若者が購買して支えているのですね。親はそうした子供に金を与えるし。しかし疑問なのですが。
なぜ戦いものばかり売れるのでしょう。政府間の勝手な都合で、庶民には関係ない戦争で殺し合うのが戦争。おまけにお偉方は決して戦場へは行かず、庶民ばかり苦しみ死んでいく……この世界最大の欺瞞、敵、悪魔といえる所業。
世の中見回すと小説、マンガ、アニメ、映画、ゲーム……戦争ばかりですね。将棋や囲碁だって模擬戦争であるし、スポーツにしたってルールを決めた戦いです。なにも武術格闘技にかかわらず。子供の遊びは戦争ごっこといえます。
そう。少年期は自然と闘争本能があります。他人より強くなりたい、強さを誇示したい。それを名誉と思うから弱者をいじめて罪の意識すらない。むしろ自慢する。
戦争になれば活躍してヒーローになれるなんて思い込む、社会と現実を知らない人間を量産するだけではないでしょうか。
戦争に行けば、人を殺すのですよ。いつ殺されるか解らないのですよ。逃げれば味方から処刑されるのですよ。
こんな呪わしい組織の愚行。それを美化し誇るなんて欺瞞です。
その点、ロボットアニメは低俗と某監督自ら割り切っていますが、スポーツマンはルールにのっとることを選手宣誓し、自分のスポーツを否定されれば怒りますよね。
戦争は国の起こす殺人、大量虐殺です。これに正義や大義といった要素が入り込んだのは、ごく近世に至ってからなのです。
過去の多くは戦争に意味なんてなく、君主の欲望で弱い国を侵略し殺し奪い凌辱するのを栄光の道とした。それが『悪魔の教え』であることに気付かないのでしょうか?
そんな愚かしい中世古代の歴史を経ているのに、ゲームやアニメは中世風の、ヒロイックファンタジーの人気ありますね。よくある王子王女ものの定番では、それに忠誠を貫くことが美徳とされ、裏切りは恥とみなします。
ですが古来権威とは実力あってのもの。兵士抜きで君主の座には就けないのです。これを逆に言うと、君主抜きで家臣や兵士ではいられない。ゆえに悪逆非道な君主でも忠誠の対象とされたのです。
古来この国も、君主? に位置するものは権力者の傀儡で、都合の好いようにその名前の権力だけを独裁者に利用されていました。そう、私の友人も……
彼は生活保護に頼りながら、粗食に済ませ酒タバコ止め、PCで遊んではクリエーターを自称していました。唯一図書館だけは足しげく通い、私と知り合ったのですが……
ある日のこと。私は詰め寄ります。
「貴方懲りずにまたゲームしていたわね」
「作っていたんだよ、遊んでいたのではないさ」
「ゲーム制作なんて、遊びと変わらないでしょう?」
「は、有名な警句に曰く、できるものは実践する。できないものは教えるってね」
「貴方はどちらのつもり?」
「明確な線引きはないが。プロのクリエーターが、アマチュアクリエーターに広くノウハウを売る時代さ。利潤目的、需要の市場は十分にある。供給も過渡期を過ぎて市場が飽和状態だが、新たな切り口で売り込むのがプロさ」
「それで儲かるかしら。貴方も入門書の類は良く読んでいるけれど」
「潜在的アマチュアクリエーターが、プロの発信者の千倍はいる」
「創作で食べていけるなんてごく僅かよ。一部の人は稼いでいるけれど、一流はどんな業界でも儲けているだけの話なのに……」
「全国百万人の規模、それも創作とは違う本業を持つ労働生産者年代層で。学生に引退組みならこの数倍の割合がいて……年間数百万人×数万円の市場だ! ……」
ここでお気楽に取らぬタヌキの皮残業を始めた彼から離れ、本題に戻りますね。
まるで社会の大樹に住み着いて依存して暮らすかのような、こんな私たちのめんどうを長年看てくださった看護婦がいます。私も小さいころから病弱でしたので。
その看護婦はある日突然逝去され、あまりに死が唐突に思われました。あとでわかったのですが、末期のガン、治療不可能な膵臓脾臓ガンだった……それなのにギリギリまで現場で働き。信じられない無理をしていたのです。
それは生活のためではありませんでした。看護婦の家は地主で、その地元なら豪邸に住むたいへんな財産と権力を持つ名家だったのです。私たちのための献身でした。
ですがそんな女性が生前語っていました。自分は何一つ不自由ない家庭で、甘やかされて育ったため、若いころはひどいわがままだったと。看護婦となっても、ほんとうの友人ができるまで長く掛ったと。
彼女は惜しまれて亡くなり、親族職場だけでなく、大勢の患者が葬儀に出られないまでも、お墓参りしました。
ここまで世の中に自己犠牲を求めるつもりはありません。ですがこんな素敵な絆の連鎖で人は生きているのですよ。世界は成り立っているのです。
たとえ宇宙に意志がなかろうと……死の世界は永遠の忘却の闇、無でしょうか? いいえ、宇宙は光で構成されているのですよ。
(終)
世のメディア文化の消費は、少子化したとはいえ子供若者が購買して支えているのですね。親はそうした子供に金を与えるし。しかし疑問なのですが。
なぜ戦いものばかり売れるのでしょう。政府間の勝手な都合で、庶民には関係ない戦争で殺し合うのが戦争。おまけにお偉方は決して戦場へは行かず、庶民ばかり苦しみ死んでいく……この世界最大の欺瞞、敵、悪魔といえる所業。
世の中見回すと小説、マンガ、アニメ、映画、ゲーム……戦争ばかりですね。将棋や囲碁だって模擬戦争であるし、スポーツにしたってルールを決めた戦いです。なにも武術格闘技にかかわらず。子供の遊びは戦争ごっこといえます。
そう。少年期は自然と闘争本能があります。他人より強くなりたい、強さを誇示したい。それを名誉と思うから弱者をいじめて罪の意識すらない。むしろ自慢する。
戦争になれば活躍してヒーローになれるなんて思い込む、社会と現実を知らない人間を量産するだけではないでしょうか。
戦争に行けば、人を殺すのですよ。いつ殺されるか解らないのですよ。逃げれば味方から処刑されるのですよ。
こんな呪わしい組織の愚行。それを美化し誇るなんて欺瞞です。
その点、ロボットアニメは低俗と某監督自ら割り切っていますが、スポーツマンはルールにのっとることを選手宣誓し、自分のスポーツを否定されれば怒りますよね。
戦争は国の起こす殺人、大量虐殺です。これに正義や大義といった要素が入り込んだのは、ごく近世に至ってからなのです。
過去の多くは戦争に意味なんてなく、君主の欲望で弱い国を侵略し殺し奪い凌辱するのを栄光の道とした。それが『悪魔の教え』であることに気付かないのでしょうか?
そんな愚かしい中世古代の歴史を経ているのに、ゲームやアニメは中世風の、ヒロイックファンタジーの人気ありますね。よくある王子王女ものの定番では、それに忠誠を貫くことが美徳とされ、裏切りは恥とみなします。
ですが古来権威とは実力あってのもの。兵士抜きで君主の座には就けないのです。これを逆に言うと、君主抜きで家臣や兵士ではいられない。ゆえに悪逆非道な君主でも忠誠の対象とされたのです。
古来この国も、君主? に位置するものは権力者の傀儡で、都合の好いようにその名前の権力だけを独裁者に利用されていました。そう、私の友人も……
彼は生活保護に頼りながら、粗食に済ませ酒タバコ止め、PCで遊んではクリエーターを自称していました。唯一図書館だけは足しげく通い、私と知り合ったのですが……
ある日のこと。私は詰め寄ります。
「貴方懲りずにまたゲームしていたわね」
「作っていたんだよ、遊んでいたのではないさ」
「ゲーム制作なんて、遊びと変わらないでしょう?」
「は、有名な警句に曰く、できるものは実践する。できないものは教えるってね」
「貴方はどちらのつもり?」
「明確な線引きはないが。プロのクリエーターが、アマチュアクリエーターに広くノウハウを売る時代さ。利潤目的、需要の市場は十分にある。供給も過渡期を過ぎて市場が飽和状態だが、新たな切り口で売り込むのがプロさ」
「それで儲かるかしら。貴方も入門書の類は良く読んでいるけれど」
「潜在的アマチュアクリエーターが、プロの発信者の千倍はいる」
「創作で食べていけるなんてごく僅かよ。一部の人は稼いでいるけれど、一流はどんな業界でも儲けているだけの話なのに……」
「全国百万人の規模、それも創作とは違う本業を持つ労働生産者年代層で。学生に引退組みならこの数倍の割合がいて……年間数百万人×数万円の市場だ! ……」
ここでお気楽に取らぬタヌキの皮残業を始めた彼から離れ、本題に戻りますね。
まるで社会の大樹に住み着いて依存して暮らすかのような、こんな私たちのめんどうを長年看てくださった看護婦がいます。私も小さいころから病弱でしたので。
その看護婦はある日突然逝去され、あまりに死が唐突に思われました。あとでわかったのですが、末期のガン、治療不可能な膵臓脾臓ガンだった……それなのにギリギリまで現場で働き。信じられない無理をしていたのです。
それは生活のためではありませんでした。看護婦の家は地主で、その地元なら豪邸に住むたいへんな財産と権力を持つ名家だったのです。私たちのための献身でした。
ですがそんな女性が生前語っていました。自分は何一つ不自由ない家庭で、甘やかされて育ったため、若いころはひどいわがままだったと。看護婦となっても、ほんとうの友人ができるまで長く掛ったと。
彼女は惜しまれて亡くなり、親族職場だけでなく、大勢の患者が葬儀に出られないまでも、お墓参りしました。
ここまで世の中に自己犠牲を求めるつもりはありません。ですがこんな素敵な絆の連鎖で人は生きているのですよ。世界は成り立っているのです。
たとえ宇宙に意志がなかろうと……死の世界は永遠の忘却の闇、無でしょうか? いいえ、宇宙は光で構成されているのですよ。
(終)