もともと本なんて、儲かる媒体、商品ではなかったのだ。しかし、市場から紙媒体が駆逐されることは考えられない。中流以上の富裕者層のプレミアアイテムとなる。
富裕者層、か……。政府はなにをしているのかな……デフレ脱却、物価年間2%引き上げといっても、労働者の賃金がそれに応じて上がらなければ意味は無いのに。
賃金据え置きのまま税率引き上げ、おまけにインフレになったら、もちろん数字的に貧乏になるのは明白だ。というより、消費は冷え込むのでは? すると……
デフレは進むだろう。増税然りだが、大規模金融緩和したところでその貨幣発行高分は、普通の庶民の懐には入らない。雪ダルマと化した国債をやりくりする、国家予算の回転費に使われる。なのに、大企業以外の給料はむしろ下がる。経済格差が広がる。
しかし現実の貸付収支は、日本は年間五百兆円を超え、借入収支を差し引いても二百兆円以上黒字の世界一の富裕国との情報もある。表向き不景気を演出させられているだけ、なのかな……それに国民がおんぶに抱っこで堕落しないように、仕向けられているのか。
真偽は解らないが、これが千兆円以上も国債を抱えているのに、日本が破綻しない理由としたらかなり信じたくなる説だ。まったく報道が無いので仮説に過ぎないが。
年収三百万円を『プア充』だなんて、傲慢な意見を述べる自称有識者がいるのだ。現実はフルタイムに残業を重ねても、年収二百万円がやっとの非正規労働者たくさんいるのに……僕はそれにも及ばない。
ならば中流とは、年収五百万も軽く稼ぐ階級なのだろうな。それだけあれば、ワーキングプアとは金銭感覚違い過ぎるだろう。
この十年間で、どの所得階級層も年収百万減少した、とされる。ならば十年前なら無能な僕でもかなり良い暮らしできたな。まして二十年以上前なら……
バブル景気時は三億円も銀行に預金があれば、働かなくても利息だけで余裕で遊んで一生生活できる、元金は変わらず永遠に、なんて大真面目に学校教師が説いていたらしい。
そして、首都圏近郊のちょっとした農家なら、農地としての土地を売ればそのくらいの金、簡単にできたという。いまでは信じられない話だし、そんなの数字遊びだ。
ほんとうに経済の回転がそんな単純計算で成り立つなら、政府が貨幣の発行高を激増して、国民すべてが何億円も手にしたらどうするのか。もちろん暴論だが。貨幣がいくら増えてもインフレになるだけ。それは知らない経済体制だな。
現実はデフレ……インフレ経済とどちらが良いのか。
資本家は一握りだ。圧倒的多数の労働者がいなければ、社会は成り立たない。それに保護すべき、子供老人障害者のような弱者もいる。
親に庇護されているだけの現実を知らないガキが、納税の義務を守らない障害者などの、無職への年金福祉手当なんていらない、生保なんて廃止しろと軽く吹いたりもする。
この厳しい社会で生き抜くのがいかに大変か……ホームレスを安易に侮蔑する感覚では、社会は成り立たない。日本の国民意識低下していないか?
そもそもあの事件やはりおかしいよな。カルト宗教連中が弱者救済を訴えるなら、なんでそれに救われない食えない物乞いがこの街にいるのだ?