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『中二病取扱説明書コミック』。ブックオフの店頭で偶然発見、衝動のままに買ってしまった。ページをめくるや、過去の古傷に染みわたり、身にグサグサ刺さる描写がたびたび……。痛い痛い、ひどすぎる!
不惑の年←(中二病の約三倍……衰えか? 否、中年病と開き直ろう)を迎えてこんな痛い男もおかしいが、創作趣味の方なら、この本はお勧めである。いろんな漫画家のアンソロジーで、現代の(といっても、09年度の漫画だし、原作は活字本)夢見る少年少女の心理がよくわかる。
つべこべ言わないで、これは購読すべし。身につまされます。面白いし。
さらにネット検索で、『中二病』を見たんやけど……なんやねん! 細菌の最近のアニメってこんなんばっかりかい! いくらロリ趣味なわいでもゲップが出るわ! これを現在視聴している青少年は、あえてそれ以上踏み込まないよう警告する。
しかし痛いと言いながらこれを否定したら、現代の少年青年漫画とラノベとアニメとゲームその他あらゆるメディア文化を全否定、ひいては全世界敵に回すようなものだから、諦めて受け入れよう。
いや、守るものがあるなら全世界敵に回すのがぼくの(中二病世界の)ポリシーなのだが……
お互い悪魔に魂売った身、もう後戻りはできないと……(悪魔とは無論、既存の七大邪悪に加えて、西暦1999年に東京秋葉に降臨した第八番目の邪悪、『アンゴル・モエの大王』である)。
ぼくはかつてラノベなどまったく知らず、古典ハード路線突っ走った創作(アメブロ未公開の没作品含む)をしていて、出版社から「あなた、いまの少年がどのような本を読むかご存知ですか?」と(呆れた声で)問われたことがある。その答えをもっと早く知るべきだった(いちいち答えてくれるほど、出版社は暇ではないらしい)。
リア友からは当時のぼくは「おまえの作品は女子供集まるファンシーショップに、鎧兜着込んで槍構えて突撃するようなものだ。場違いなんだ。TPOわきまえろ」、と酷評されたことがある。
いや、いまから思えばこれは正確な評価だろう。若い貴重な時間を、無意味に浪費したかもしれない。いまのように当たり前にSNSが広まるちょうど間際の話だから、当時この世界を知っていれば……と悔やんでならない。
そのころからすれば、かなりラノベ路線は取り入れたのだが……現実の壁は高い所が『中二病』の痛いところだろう。いや、この世界は若者の特権だ。ぼくみたいなオヤジは身を引くべきか。歳をとったよ。