どうも公星です。現在仲間の人と居酒屋です。私はハムスターですが、仲間の人間たちに食べ物にされているわけではありませんよ。ところで酒を飲んでも、酒に飲まれるなとは名文句ですね。
その好例として、「一日日本酒四合と塩と少しの肴を食べ」と宮沢賢治はその代表作『雨にも負けず』で語っております。ほう、この文豪もなかなかの酒飲みですね。これは嘘です。失礼しました、正確には「一日玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ」です。
ああ、私も酔ってきました。まずはビール大生で、みんなと乾杯。ビールは一気に流し込んでのど越しで味わうものです。口に含んで舌で味わおうとしても、苦いだけですよ。そして豊潤な香りを嗜む。
味覚の半分は嗅覚ですからね。風邪を引いて鼻が詰まると、食べ物の味わからなくなるでしょう? ああ幸せだな……何杯飲んだかな……大生四杯、日本酒に焼酎、ウィスキー、ドライジン……私辛党ですから。辛口の毒舌を吐くのもご愛敬で流して下さい。
え? 私の年齢確認ですか。人間は二十歳で成人でしたね、だからって私に当てはめることはないでしょう? 私ハムスターですから。人間サイズですが。
たしかに、年齢と言えば人間の世の中は、なかなかうるさいらしいですね。特に、中学高校なんて、一学年差が決定的、絶対の主従関係になります。早生まれの方はその点有利ですね。
なんか日本の漫画アニメとかの娯楽メディアって、高校生が主人公なの多いな。定番は高校二年生の少年で、ヒロインは同い年の十六歳、ロリ入って十四歳、十八歳だとお姉さま。子供は不老不死に憧れるのですよね。二十歳すら老けて見える。
暴言……ヲタってみんなロリかショタなのか?! 萌って美少女美少年の耽美な違法スレスレ行為?
で、未成年の性風紀の乱れはいまさら話題にもなりませんが、成人が十八歳未満相手にすると児童福祉法違反に抵触します。相手の同意があってもこれは重罪です。この肉欲のことを獣欲と評するのには、憤りを感じます。獣は発情期しか求めません。節度弁えております。人間も私どもを見習いなさいね。
まあただし恋人を巡っての同性との競争は、いくら獣とはいえ、同種族同士での戦い、悔しいですが戦争ですね。美辞麗句だけ連ねても、現実は醜いです。
私はハムスターで、自然と調和し生きていくことが理想ですが。たしかに普通のハムスターと違い、労働に従事しております。農業開拓、工業開発、芸術分化事業。無為徒食の怠惰な誰かさんとは大違いです。
でもその誰かさんですら、無為には耐えられないのが人間です。代償行為として、娯楽や嗜好品に耽るけれど、それすら飽きてしまう。走り過ぎるとそうですね、頽廃は地球を食い潰してしまいますよ。
こんなこと、二十世紀半ばのSFにはすでに当たり前でした。アイザック・アシモフやコードウェイナー・スミスその他大勢が描いていますし。科学技術の進歩ろくに働かずとも生きていける理想社会なのに平和の無為に耐え切れず、頽廃して破綻する。
キリスト教等の宗教もその神話で、快楽主義の頽廃から天罰を受け滅んだソドムにゴモラの伝説を警句に引用しております。ガメラにゴジラではありません。
幸せ不幸は個人の価値観です。そして極論を言えば死は誠実な友、生は欺瞞に満ちた、不公平不平等な裏切り者です。だからって貴方、私を食べようとするのはおよしなさい。キジも鳴かずば撃たれまい……記事も打たねば泣かれまい。
え? 酒を飲ませれば、肉がまろやかになる?! 貴方悪魔だ! それでいて自然な人間ですか! いいですか、肉からは酒は造れませんし、肉の持つ栄養素のすべては植物だって豊富に持っているのですよ。
肉無しにも人間は生きていけますが、植物無しには生きられません。 ああ確かに植物も生きています。食は命を繋いでいく行為……我々はこれを真摯に受け止め、新たなる明日へ! 待った、話せばわかる!
(終)
後書き 毎回馬鹿話作っている己を疑問に思います。しかし冗談が無くても生きられるとはいえ、冗談抜きには生きたくないですね。